your one wild and precious life2010年04月01日

新入社員の皆さんも、そうでない皆さんも。

私が大いに影響を受けた、詩の一節をご紹介したい。

"Tell me, what is it you plan to do

with your one wild and precious life?"

(Mary Oliver, "The Summer Day")

「さぁ、教えてください。

あなたの一度限りしかない、ワイルドで、かけがえのない人生。

あなたはどうやって過ごすのですか?」

一度しかない人生。

気がついたら、あっという間に終わってしまう。

せっかくのチャンスなのだから、世間体に悩まされず、

自分の直感を信じて、挑戦するべきでないか。

自分の内なる声は、答えを知っている。

一切のノイズから自身を遮断して、その声に耳を傾けてみるべきではないか。

あなたは、どんな人生を送りたいのか?

一人では何もできない2010年04月05日

金曜日はオックスフォードビジネススクールの学生の皆さんが30名ほど来社。ライフネットの挑戦、アントレプレナーシップに関する考え方、そしてMBA卒業後のキャリアの考え方などについてディスカッション。

印象としては、「英語でもエッセンスは伝わるし、ウケルんだ」ということ。もはや伝説となりつつある

「ハトが選んだ生命保険」
http://portal.nifty.com/2009/07/24/a/

も頑張って英語で説明しました。この、不真面目なことを大真面目にやるということが、日本のエンターテイメント文化か。

考えたのは、国籍を超えても、もちろんMBAという共通するバックグラウンドを持っているからなのですが、ウケル話は同じなのだな、ということ。理不尽なものに対して変革に取り込もうとする真摯な姿勢。巨大なものに対して挑戦するちっちゃいプレイヤー。

自分としては一番ポイントだなぁと思ったのは、弊社マーケティング部長代行のMがライフネットのマーケティング戦略に関する絶妙なプレゼンを終えたのちのこと。こう、説明した。

「皆さん、いまの戦略が面白いとうなずいて下さっていますが、私がアントレプレナーとして一番大切だと考えるのは、この戦略の内容ではありません。

このようなエネルギーと知性を持った仲間にどれだけ、同じ船に乗ってもらえるか。それが、もっとも大切だと言うことに気がつきました」

誰しも、どんなに優れた能力を持った人であっても、一人でできることは限られている。

同じ志を持った、素晴らしい仲間にどれだけ加わってもらえるか。それこそが、小さいベンチャーの成否を分けるのではないか、と痛感している。

選挙運動2010年04月06日

昨日、ネット選挙解禁のニュースが報じられていた。すでに色々なところで論じられているだろうが、これは実行されれば、日本の政治のあり方を大きく変えうると思う。

数年前、友人が参院選に出るというので、作戦をいろいろと一緒に考えたことがあったが、そのとき、いかに選挙のルールが現職有利に作られており、挑戦者には不利にできているか、痛感した。

これに対して、ネットマーケティングが解禁されることは、リアルなチャネルや顧客(選挙だったら後援会などか)を持たない新規参入者が、安いコストで一気に知名度を広めることができる点で、既存業者にとっては脅威で、挑戦者にとっては逆転の可能性を大いに高める可能性を持つ。つまり、現状維持よりも変革を起こしやすくるシステムを創るのではないか。

ところで、、、、本題。

このたび日経ビジネスオンラインの企画で、

チェンジメーカー オブザイヤー 2010
http://special.nikkeibp.co.jp/ts/article/0i0i/103733/candidates/index.html

の候補に選ばれました!

他の候補者の方々をみると大先輩ばかりで、どちらかというと年齢が近いIT系のお三方を見ても、どうみても実績がまだついていないのですが、そこは将来への期待!の意味も込めて、本ブログ読者におかれましては、清き一票を、yours truly に投じて頂ければと思います.

よろしくお願いします!

what よりも how2010年04月07日

政治、経済の政策なり、企業の戦略なり、「何をやらなければならないか」という "what" 自体は、多くの場合、ほぼコンセンサスが得られている. 難しいのはむしろ、どうやってそれを実行するか、という "how" の部分である.

「正しいことを考えていれば、必ずその通りに動いてもらえる」

と考えるのは、あまりにナイーブにすぎる. 重要なのは、1割しか実現できない 100点の what を追い求めるよりも、確実に実現できる20点をピンポイントで探し、それを工夫して関係者に伝え、彼らを動かすことである.

だから最近は、what を100点に近づける作業よりも、常に「どこを一点突破するか」を考えることが癖になっている. 一見、インパクトが小さそうに見えることもいいので、とにかく実行できる小さな何かを探している.

それはまるで、静かな池の中に、小さな小石を投げ入れたら、ぽかぁんと波紋が広がる、そんなようだ.

すべては、その小さなきらめきから生まれるのだから.

子供に読ませたいお金の教科書2010年04月08日

年末に、久しぶりに大学のジャズ研の後輩と連絡を取った。高校・大学と同じなのだが、学生時代から音楽に打ち込み、卒業後もアルバイトをしながらジャズミュージシャンとして活動している、東大生には珍しいタイプだ。彼はギタリストで、奥さんもジャズピアニストとのこと。

成り行き上、生命保険の話になるわけだが、知り合いの外資系生保の営業マンの勧めで、年払いで50万円近い保険に加入していると聞いて、驚いた。企業勤めではないので備えを厚めに、というロジックは理解できるが、彼の収入では自由になるお金のうちかなり大きな割合(おそらく、貯蓄の100%だろう)を、短期で流動性がなく、いざお金が必要なときに融通が効かない(当初10年は解約ペナルティを取られる)生命保険商品に投入することが、本当に彼のためになるのだろうか。

生命保険を通じた貯蓄のメリット・デメリットを説明すると、彼は後悔していた。知っていたら、ここまで大きなお金を一つの商品には入れてなかったのに、と。この知人の営業マンは、悪気はなかったのかもしれないが、自分が持っている商品を中心に据えてしか考えられないのだろう。一つの典型例のように思えた(もちろん、そうでない人もたくさんいるのでしょうが、と disclaimer for our fellow insurance professionals)。

このたび、出版社から献本頂いた山崎元さんの新著を読んで、商品を売る強烈なインセンティブがある人や、1つの商品ジャンルしか知らない人(上記では生命保険)にお金のフェアなアドバイスをもらえると思ってはいけないということを再確認した。同氏はライフネットを開業する前にご挨拶に行ってお話を伺って以来、応援して頂いている一人である。

山崎氏が書かれた文章(テーマや字数が決まった連載よりも、気ままに書かれている個人ブログが一番面白いと思っている)を読んでいると、他の「経済評論家」と名乗る人たちと比べて、山崎さんの文章の味わい深さ、醍醐味は以下の3点にあると感じている:

1. ファンドマネージャーをはじめとして、様々な組織と立場で、金融商品を売り買いしてきた、オカネへの嗅覚と肌感覚

2. 人とは違った視点で(ときにはいささかシニカルに)物事の本質を鋭く捉える洞察力と、それを分かりやすく、ユーモラスに、人間臭く表現する力

3. ご自身の信念に反するものに対しては徹底して反駁する強い正義感。特に、消費者に有利でない金融商品とそれを売る人たちに対する嫌悪感。

これまで多数の著書がある氏としては意外だが、「お金にに対する自分の考えをはじめてまとめてみた」という「お金とつきあう7つの原則」(KKベストセラーズ)は、このような山崎氏の特徴が存分ににじみ出ている良書である。

http://www.amazon.co.jp/dp/4584132135/

しかし、楽しい投資運用の話、多様な金融商品の解説を期待する読者は、拍子抜けするだろう。この本では、ほとんど金融商品の話は書いていない。正確には、勧められる金融商品が実に少なく、シンプルなインデックスファンドの購入で十分、プロ並みの運用実績は上げられること、何よりも個人としては最大の資産である「人的資本」の価値を高めることに注力すべき、というアドバイスをしている。

もっとも大切なのは、第一章で書かれている「お金とは何か」であろう。資産運用の実務家が改めてこのような哲学的な話をすることはまれだと思うのだが、「やっぱりお金がすべてだ!」とか「お金があっても幸せになるわけではない!」と極端な議論をするわけではなく、「お金があると自由が広がる、不幸が避けられる、だけどお金があると心配もあるし、副作用もある」といったことが、「他人のボーナスをうらやむ30代投資銀行マン」といった生々しい事例をあげたりもしつつ、語られている。まだ自分なりの「お金の哲学」を築くに至っていない若い読者には、非常に大切な内容だろう。

また、銀行・証券・保険・投資信託など、多岐のジャンルに渡る金融機関に身を置いた経験から、「ほとんどの商品は手数料が高く、リスク・リターンが割に合わない、個人にとっては損な商品」という結論に至っており、個人と売り手との間に大きな情報ギャップがあることに乗じて不利な金融商品を売ることに対しては、憤りに近い嫌悪感が全体を通じて伝わってくる。ここはご本人も認めているが、金融の専門家としてフリーで生計を立てている立場に取っては、ほとんどすべての金融商品を否定することは極めて不利なことであるが、それでもご自身の身入りよりも正しいことを発信することにこだわり続ける姿勢には、敬意を表する。

最後に、本書で一番「山崎節」を味わえると思った一節を紹介しよう。ひとつの理想的な金銭感覚の持ち主として、75歳のお母様について書かれた個所である。

「彼女は、どのくらい使うと無理で、さりとてこれ以上ケチになる必要もない、という勘所を感覚的に把握しているようなのだ。要は、事、お金に関する限り、私の母は、細かなやりくりを気にすることも、ましてファイナンシャルプランナーに相談することもなく、吸った息を吐くようにこれを使って生涯を終えそうなのだ。

彼女の場合、どうしても生活に必要なくらいの収入に事欠いたことはないという幸運はあったと思うが、たぶん、それ以上のぜいたくにかかわる欲求が自分の経済力に応じて伸縮的に発生するようになっていたのだろう。

性格の根源的な部分にある一種の臆病さが経済感覚に対して作用しているだろうと推測するが、結果的には、細かなお金の計算をほとんどすることなく、お金が足りなくなることも、大いに余ることもなく生涯を終えるのだとすると、これはお金との関係に関する限り、理想的な人生かも知れない。

もちろん、今後どんな事態があるのかは分からないが、今の時点では褒めておこう」

ここには生活者としての理想のお金との距離感を表現したマネーのプロとしての視点、一人の個人の特徴をあぶり出す観察力と表現力(自分の母親についてここまで鋭く分析できる人はどれくらいいるだろう!)があり、同時に、ちょっとすかして、クールに綴っているようでいて、お母様に対する敬意の念と深い愛情が感じられるのである。まさに、山崎節の真骨頂である。

同世代から若手のビジネスパーソンにはぜひ一読を勧めたいし、いつか子どもにもお金の勉強をさせるときがきたら、そのエッセンスはきちんと伝えたい内容である。

理系と文系のクロスオーバー2010年04月09日

昨日から、慶應大学にてプルデンシャル・ジブラルタ生命の寄付講座である「生命保険概論」が開講。教授陣が使うファカルティラウンジにて、講義をする実務家の面々と、慶応の先生方が一堂に会し、キックオフディナーが行われた。

初回は経済学部の吉野直行先生が担当され、その後も植村信保氏(保険のトップアナリスト、4月から金融庁)、米山高生先生(一橋大)、山内恒人氏(最近では「生命保険数学の基礎」を東大出版会から出されたアクチュアリー)、松山直樹先生(明治大、日本アクチュアリー会ALM研究会座長を務められた)、大久保亮氏(日本生命からバーゼル(BIS)に5年出向、ニューヨークにも4年勤務された、業界きっての国際通)など、「その筋」の人にはたまらないメンバー。業界人である私こそ、聞きに行きたいような顔ぶれなので、学生のみなさんには、ちょっと難しいのでは・・・と余計な心配もしてしまう。

私はというと、山内さんの親切なご紹介もあって、後期に「生命保険マーケティング」というトピックで、2回ほど授業を受け持つことになりました。慶應で生保の授業をできるなんて、嬉しいなぁ。そして、「生命保険のカラクリ」も講座の指定図書のひとつに。頑張って勉強して本を書いて、本当によかった。

今回は理工学部と経済学部が初めて合同で講座を運営されるということで、ディナーの席で両学部長とも、とても嬉しそうだったのが印象に残った。慶應のような大きな大学だと、なかなか学部を超えた連携というのは難しいらしく、むしろ同じ学部の他大学との交流の方が頻繁に行われるとのこと。

かつて、アメリカのベンチャー企業を複数訪問したとき、たとえばMIT卒のエンジニアが、同時にMBAもとっていて、ビジネスプランやプレゼンなどが非常に優れていたのが印象に残った。日本だと、ほら、また一般化するのはよくないですが、技術者の方ってあまりプレゼンが得意じゃなかったりするじゃないですか。

今後は、理系と文系の垣根を越えた教育、これから大切になっていくのだろう。その意味で、数学・統計、リスクマネジメント、保険医学と、マーケティングやファイナンスなど、横断的な思考が要求される生命保険業というのは、ひとつの格好の素材なのかもしれない。

帰りは吉野先生と二人で、東横線で日吉から渋谷まで。先生とは金融庁のケインズ勉強会でご一緒しているのだが、改めてゆっくりお話ができて嬉しかった。

今日は夜、大阪でFPの方々の勉強会でお話をして、明日は午後に滋賀のFP協会で、「保険業法改正から13年を振り返る~情報開示と契約者保護の観点から」というタイトルで講演をします。

よい週末をお過ごしください。

ライフネット in 滋賀2010年04月12日

今から1年半前。開業初年度の10月に、国際フォーラムで行われたFPフェアというイベントに出展した。当時は開業直後でまだ軌道に乗る前。一人でも多くの人にライフネットのことを知ってもらおうと、社員一丸となって取り組んだイベントだった。
http://totodaisuke.weblogs.jp/blog/2008/10/post-f875.html

そのときに色々な方がブースに立ち寄ってくださったのだが、一人、印象に残った方がいた。滋賀県在住のFP(ファイナンシャルプランナー)である栗本大介さん。もちろん、滋賀にもFPの方はたくさんいるのだろうが、東京ではなかなかお会いしないので、記憶に残った。

それから1年半。Twitter で「どこでも出張講演しに行きます!」とつぶやいたところ、「ぜひやりましょう!」と声をかけてくださったのが、栗本さんだった。Twでやり取りしたあと、すぐに電話して、その場で日程を決めた。思いついてから5分で講演会が2つも決まる。仕事早い人、大好き。

おかげで、金曜の夜は大阪で、栗本さん主宰でFPの方々30名ほど集まって小さな勉強会。土曜は、FP協会滋賀県支部の研修として、100名近い皆さんを相手に講演。

行く前の電車の中で、iPhone でウェブ上にある「栗本大介物語」を読んだ。「ハーバード留学記」かよ、と思うくらいの自分史。面白かった。はじめから「20代で独立する」という明確な目標を持って生命保険会社に就職し、予定通りに独立を果たされたバイタリティ。
http://fpoasis.jp/modules/pico0/index.php?content_id=7

そして、特に印象に残ったのが、会場となった南草津市の駅まで小さな保険ショップを運営されている、ウェイグッドの堀内社長。S生命のライフプランナーを10年ほどやった後に、「一社専属では本当にいいものをお客様に勧められない」と考えて、お給料が下がることはわかっていながら、独立を果たした。いまは駅下におしゃれなお店を開かれて、保険以外にもFP業務全般を、8名の素敵な仲間とやられている。
http://waygood.co.jp/

この堀内さん、熱烈なライフネットのファンでいてくださって、「出口・岩瀬さんの著書はすべて読みました!また、ライフネットのホームページは毎日くまなく読み込んでいます!」というほど。ありがたくて、涙が出そう・・・京都・滋賀在住で保険にお悩みの皆さんは、栗本さんか堀内さんにぜひご相談を!

堀内さんのお店とスタッフの皆さんとお話をしながら、こういうひとりひとりの地域に密着したFPの皆さんの努力が、日本全体のファイナンシャルリテラシー向上に繋がるんだろうなということと、僕らもこういう皆さんともうまくコラボレーションをしていけたらいいな、そんなことを思いながら、京都経由で帰路についたのでした。

ライフプランナーがやってきた2010年04月13日

朝9時。P生命のライフプランナーが10名、ライフネットの本社にやってきた。

ライフネット VS ライフプランナー

きっかけは、元々僕に生命保険を売ってくれた方からの電話。

「いま、支社で研修を担当しているんですが、対極にあるネット生保の話を皆に聞かせたら、勉強になると思って」

わざわざ敵陣?に乗り込んでくださるその熱意と真摯な姿勢には、感銘を受けた。

朝は
・ 変革しつつある生命保険業界
・ 手数料に見合った付加価値を提供できるか?
・ ネット生保の実態 ~ 告知や支払いは大丈夫か?
・ 終身保険は必要か?

といったテーマについて、10対1でアツク語り合い、そして「分かり合う」ことができました。

皆さん、体育会系!どっと笑うときの声が大きい。

「Oさんに勧めて頂いた保険を解約して、その返戻金で留学しました」

と話したところ、かなりウケてくれました。

最終的には、スタンスはあまり変わりませんでしたよ。貯蓄をできない人にとっては、確かに終身保険もいいですね、と譲りましたので。

もうすぐ4年2010年04月14日

古い gmail のアカウントを調べていたら、出口と初めて会ったのは、2006年4月15日であることが判明した。明日で4年か。長かったような、短かったような。

4月から毎週「アゴラ」というブログサイトに寄稿することになったのだが、「学術論文でも、雑談でも、何でもいいですよ」と言って頂いたので、これから20回くらい(数えてみたらちょうど8月末くらいだった)で、これまでの軌跡を振り返ってみることにした。

毎週というのはやってみるとかなりの頻度になるので、テーマとしては少しでも調べたり考えたりしなければならないものはきつく、これまでの「立ち上げ秘話」なら、うーんと頭を捻りさえすれば、それほど困ることなく書き続けることができるだろう、と思った次第。

早速、第一回を昨日にアップ。「ネット生保立ち上げ秘話(1) プロローグ」 http://agora-web.jp/archives/982511.html

出口と出会った場面をさらっと書きましたが、実はもう少し話がありまして。谷家さんには、出口がこのミーティングに来ることはおろか、そもそもそういう生保のベテランという人がいることについても、話を聞いてなかったのですよ。

なので、土曜日の休日のビルのエレベーターを降りたときに、チェックのシャツとダボダボのチノパンでいた出口の姿を見て、

「ビル管理会社の人?」

と思ってしまったのです(笑)。本人にも伝わっちゃってるから、書いてもいいか。かつ、当時は本当にニッセイの子会社であるビル管理会社の役職員だったので、あながち間違ってもないか。

誰かが「出口さん、日に日に若返ったよね」と言っているので、おそらく、セミリタイア状態だったこのときは、今よりももう少し年配に見えたとしてもやむを得ない。

もう4年かぁ。

始める前は、「自分の父親と同じ年のおじさんと二人っきりって、結構つらいかなぁ」と心配していたのだが、はじまってみると、まったく問題無し。

今も「年齢の差が大きいとうまくやっていくのは大変じゃないですか?」と聞かれることがあるが、同じ年代でも合わない人は合わないし、合う人とは年齢ってまったく関係ないんだな、と最近は思うようになった。出口だけでなく、当社にいるアラ・シックス(60歳前後)の諸先輩方は、皆さん頭が柔らかく、うまく若い人たちの力を引き出そうと辛抱強く付き合ってくださるので、みんな大好き。

書くことを通じて、色々と懐かしい思い出が出てきそうだ。楽しみ。

簡単に伝える力2010年04月15日

保険やリスク管理について、分かりやすく伝えることは、本当に難しい。昨日、慶應大学の「生命保険概論」を聴講して、改めて感じた。

保険は目に見えない商品であり、日常では意識することがない。「保険事故が起きた場合に、一定のお金を払う」という、保険会社と契約者との約束後でしかない。

昨日は金融庁の植村さんが講義をされていたのだが、やはり一番わかり易いのは、具体的な事例だと思った。

「車を運転していて、事故を起こしてしまった場合、どうやって損失を補償するか?」

「学生の皆さんのご両親に万が一のことがあった場合、学費や生活費はどのようにするか?」

など、具体的な例を前面に押し出して、理論は後からくっつけるという形にしないと、なかなか捉えづらいな、と学生側から話を聞いてみて再確認。植村さんは上手にやられていましたが。

私は後期に「生命保険マーケティング」というテーマで90分×2回を受け持つことになっている。たぶん、学生の皆さんに宿題を出して、「身近にいる社会人に、生命保険を勧めてみよう!」というケーススタディをやるのかな。あくまで練習ですから、業法違反とかつっこみを言わないように。