15万字書く2010年09月01日

B2C のビジネスをやる上では、本を出すということはとてもよいことだと思う。商品サービスを説明したり、その背後にある市場構造や自身の考えや想いまで含めて伝えることができる。

もっとも、仕事をしながら本を書くのは至難の業である。いま毎週火曜にアゴラで立ち上げ秘話の連載を書いているのだが、一回原稿用紙10枚(4000字)書くのに2時間くらいかかっている。

本一冊は10万~15万字と言われているので、毎週1回4000字のペースで行くと、25~40週、半年から1年弱かかることになる。大変だなぁ。

でも、自分たちの想いを書籍の形で伝えることができるのはまたとない機会なので、できるだけ頑張ろう。9月に入って、心機一転です。

【追記】
アゴラ連載、こちらで読めます!
http://agora-web.jp/author/totodaisuke

オフ会2010年09月06日

ライフネットの企画を検討していた2006年7月当初から、社長の出口は

「ネットの会社だけど、リアルな繋がりを大切にしたい。そのためにオフ会をやりたい」

と話していた。しばらくすると、「オフ会」という言葉が古くなったので、「お客様の集い」と呼ぶようにした。

第一回はまだ保有契約が少なかったので、普通にお客様に呼びかけても4人しか集まらなかった。やむをえず、契約してくれている友人にも参加をお願いし、計6名でスタートした。

それから四半期毎にやってきたが、参加者はなかなか増えず、いつも10-15名程度で推移していた。顔を見ながらこじんまりと皆さんとお話できるので、毎回楽しみだった。

この土曜日は、なんと32組、47名の方がお越し頂き、「ふれあいフェア」を実施した。生命保険会社のイベントに能動的にこれだけの方が集まるのは、素晴らしいことだと思う。子連れの方も多く、設けられたお子様コーナーでおもちゃで遊んでました。

皆さんからは質問をたくさん頂いたが

「ライフネットのロゴは誰をモチーフにしたのですか?」

というのが一番印象的でした。

出口は「顔が見える会社ということで100パターンもの顔をデザイナーの先生が書いてくれて、そこから選ばれた」と答えていましたが、実際には「起業の理念を二人で2時間先生にお伝えして、そこから先生がイメージされたのがあのデザイン」というのが正解なので、その2時間のミーティングで脳裏に焼き付いた映像が何らか影響している可能性は小さくないのです。

というわけで、ネットの会社だからこそ、今後ともリアルな繋がりを大切にしたいと思います!次回のお客様ふれあいフェアがとっても楽しみ。

Teach for Japan2010年09月09日

米国で Teach for America (TFA) という NPO がある。貧困層で育つ子供たちは教育を十分に受けられないか、教えられたことを十分に吸収することができない。貧困地区で育った子どもたちは、10人に1人しか大学に進学しないそうである。その理由は、例えば医療を十分に受けられていないとか、栄養が不十分であるとか、そもそも教育に対して十分に親が理解を示さないなど、様々である。いずれにせよ、通常の学校のプログラムやリソースだけでは、貧困による教育の格差という問題に十分に取り組めていないのである。

そこで TFA は全米の優秀な大学生を選抜し、独自のトレーニングを施し、特にリソースが手薄になっている地域に2年間教員として派遣するプログラムを始めた。そのプログラム自体が豊かな学びを伴うだけでなく、いまやこのTFAの卒業生であるということが一つのブランドにすらなっており、リーダーとなるポテンシャルがある人材として一流企業などで優先的に採用されるようになっており、これが学生の参加意欲をさらにかき立てている。

日本は米国ほどには格差がないかもしれないが、このようなモデルで社会的課題に取り組むことが日本でもできたらいいな、と漠然と考えていたときに、日本で Teach for Japan なる団体を立ち上げてこのTFAの取り組みを再現しようとしている人がいることを知った。

http://monju.in/special/09/

松田悠介さんは中高の体育教師を務めたのち市川市の教育委員会に所属し、それからハーバードの教育大学院に留学した。そこでTFAに出会い、同様のものを日本に作れないかということを留学中に研究。帰国後は外資系コンサルに少し務めたのち、Teach for Japan を立ち上げた。一度話を聞いてみたいと思い、Twitterで連絡して、昨日皆さんと一緒にお昼にお弁当を食べた。

必ずしも知られていないが、公立の小中学校で鉛筆やノートなどの文房具代や給食費や修学旅行費などが支払えない家庭が増加して、これらについて援助をする「就学援助」を受けている子供が全国で133万人いて、もっとも高い足立区では5割近くに上っているそうだ(千代田区は1割以下)。

日本でも、優秀な大学生が小中学校の教員の「援軍」としてパラシュート降下し、彼らのリソース不足を補う役割を果たし、それから社会に出ていくようになったら、随分と大きな変化をもたらすことができるような気がする。

もちろん、文科省や教職員の方々から見て受け入れられやすいような風にするのには時間がかかろう。まずはいくつかの市町村でモデルケースみたいなものを確立できればいい。今は横浜市や開成町から興味を持ってもらえているらしい。また、まずは民間独自でできることから、と言うことで今年の夏は八王子でサマースクールを初めて実行したそうだ。

社会的課題に取り組みたいという志を持つ若者は増えているが、会社を辞めてそれに自分のキャリアを100%コミットしようとする人は必ずしも多くない。松田さんの挑戦を、応援したい。

http://teachjapan.exblog.jp/

ネット生保立ち上げ秘話、連載中!2010年09月09日

意外とTwitterなど見られていない方も多いので、こちらで宣伝。

現在、アゴラというウェブサイトで「ネット生保立ち上げ秘話」を毎週火曜に連載中です。

http://agora-web.jp/archives/1088579.html

最新号は、「第22回 2位では駄目なんですか?」ということで、2008年秋に競合のSBIアクサ社が値下げ競争を仕掛けきた話を綴っています。

ぜひお読み頂き、これまでのライフネットの歩みを振り返って頂ければと思います。

男だけの小旅行2010年09月13日

日曜、丹沢湖に男友達大勢でバーベキューをしに行ってきた。

行きは大学の同級生のクルマに乗って、帰りは社会人になってからの親友と二人で。片道2時間ずつ、いろんなことを語り合いながら移動。現地では川辺で足を冷たい水につけながらシートの上に寝っ転がって、ずっとおしゃべりしてた。

しかし、10数年も経つと色々なことがありますね。大学の友人は1994年に出会い、社会人になってからの友人は2000年くらいかな。今では二人とも立派な社長になっていて、しかも一人はベンチャーだが一部上場済み。同世代の活躍は、励みになります。

自分もまだまだ努力が足りないので、9月に入って少し涼しくなったこともあり、夏バテモードから脱却して全力疾走したいと思います!

9月の出逢い2010年09月16日

9月に入ってから、inspiring なミーティングや、新しい出逢いが立て続いている。しばらく低調気味だった私の運勢も、好転しているのだろうか。

1日(水)に入社した新しい若手の仲間。前職は厚生労働省の官僚。法令作りや医療政策に関わっていたのだが、医療保険制度について改めて勉強しているところなので、入社してからは彼に質問攻めで教えてもらってばっかり。頼もしい限り。

2日(木)の昼には開業前からずっとアドバイスを頂いているネット業界の有識者と和食屋のカウンターでランチをしながら、ライフネットが次のステージに飛躍するためのヒントをいくつも頂いた。ちゃんとメモの形に準備して下さっていたので、議論がすいすい進んでアイデアも浮かんだ。社内に戻ってきてから、皆とシェア。

3日(金)はオックスフォードMBAの学生が中国・インド市場におけるネット生保の可能性について調査してくれた内容を議論する。やっぱり、現地のことはネイティブにしか分からないなぁと実感。各国のマーケットの理解が進んだ。加えて、HBSの恩師の一人である Mihir Desai 教授が来日していたので、卒業してからの4年間の近況報告。あの頃のアツイ気持ちを思い出す。

4日(土)はお客様を社内に呼ぶ第9回ふれあいフェア。46名のお客様が参加。我々の日頃の活動について、お客様から直接ご意見を聞かせて頂ける機会は、なんとも貴重。あっという間に2時間半が経過した。

6日(月)の夜は豊田通商さんの従業員向け講演会。200名近くお集まり頂き、大盛況。名古屋でライフネットのファンがまた増えたらいいな。日帰りのつもりだったのだが、盛り上がって結局深夜過ぎまでご一緒し、翌日朝一番の新幹線で帰京。皆さん、口コミすることを約束してくれる。

7日(火)の昼は新たに大きなスケールでビジネス展開を考えている起業家の方とランチ。まだ非公開のビジネスプランを聞かせて頂き、希望と理想に輝く目を見ながらこちらも負けてはいけないという気持ちになる。いつかコラボレーションできたらいいですね。

8日(水)の午後は、大学院生の新卒入社面接があったのだが、ポロシャツとGパンで登場した大物感溢れる人物との出会いに興奮。15分くらいで「お願いします!」と叫びたかったのだが、じっくり我慢して最後までポーカーフェイスで面接をしました。人材は企業の宝。満場一致で内定出したけど、受けてくれるといいなぁ。

9日(木)の夜はTwitter上で以前から意見交換をしていた、二人の同世代アクチュアリーの方々と。初対面だけど初めての感じがしないのが不思議で、保険・医療・年金の話もさることながら、幅広く意見交換できた。アクチュアリーは保険会社の心臓部分を担う重要な職業。定期的にアクチュアリー飲み会やりましょうね。僕はアクチュアリーじゃないですが。

10日(金)の午前中に海外の大手生命保険会社の方が来社。来月に本社から幹部が来られるので、ネット生保に関して色々と話しを聴かせて欲しいとのリクエスト。少しずつ、アジアでもネット生保への関心が高まっていることを感じます。夕方はミクシィのイベントでパネルディスカッションに登壇。ソーシャルの波がゲームから、より広くライフスタイル全般にシフトしていく。ライフネット生命も、やるぞ!ソーシャル!勝手に宣言します。

11日(土)はオフ。75年生まれのネットベンチャー社長と、作家の方と3人で、同じく75年生まれの太夫の方が出演される文楽公演を観劇。4人で「75会」を結成して、夜に会食。業種が全く違う同世代の方々との交流は、刺激溢れる。

13日(月)のランチは弊社のウェブマーケティング責任者を連れて、元はてな副社長の川崎さんと。「ライフネットがソーシャルをやらないで誰がやるんですか!」とはっぱをかけられる。次のステージに飛躍するきっかけとなるか。午後には内閣官房の方々がお見えになって、IT戦略会議傘下の専門調査会に委員としての参加を打診される。ネット生保の立場から、何が提言できるか、楽しみだ。夜は株主のグロービスサンとフットサル。毎回ながら、完敗。筋肉痛はその後、二日続く。

14日(火)の午後は久しぶりにGQの取材。思い起こせば、2007年に8ページで大特集を組んでもらったのがご縁で、一人の仲間がYahoo!から入社し、その後同社から総勢5名が入社するきっかけを作った。その意味では、編集者の方々もライフネットの恩人。ありがとうございます。今回の記事もライフネットのPRになりますよう。

15日(水)の夕方、取締役会終了後、「治療費.com」なるサイトを運営されている方が来社。がんの治療で実際に自己負担はいくらかかるのか?患者の月次の資金繰りはどのようになるのか?それをファイナンスする手法としてどのようなアイデアがあるのか?様々なインサイトを頂くことができた。たまたま先週、このサイトを見つけ、info@ にメールしたばかりだったのだが、すぐにお会いすることができたのも幸運。

まだ15日なのに、この密度の濃さ。ここに書いていないことも色々あったし。今月は残り、どんな刺激と inspiring な出会いがあるんだろう。

あ、いま早速、ウェブチームがトップページに Facebook の「いいね!」をつけようとしています。すぐにアクション取るのが大切ですね。下半期も全力疾走で、ライフネットを次のステージへ持って行きます!

最後に業務連絡。9月17日(金)19時~21時、TBS系の「がっちりアカデミー」で取り上げて頂ける予定です!
http://dogatch.jp/blog/news/tbs/10150910895.html

海外インターン生2010年09月17日

今日で北京からインターンで来ていた学生が最終日。ライフネットの将来の海外展開の布石となる調査を重ねた、アツイ夏が終わった。

元々当社はインターン生を受け入れているわけではないのだが
・ オックスフォード大MBAプログラムの学生チームによる無料コンサルティングプロジェクト
・ ハーバード公衆衛生大学院の留学生
・ 司法修習生

がそれぞれ直接コンタクトしてきて、インターンとして夏の間働きたい旨連絡してきた。三者ともいい申し出だったので、お受けして協力してもらうことにした。

これに加えて、大学サークルのアイセックの卒業生が当社に多いこともあって、インターンシッププログラムとして北京と上海から1名ずつ、2ヶ月ほど受け入れて、中国におけるネット生保の可能性について色々と調べてもらった。

振り返ってみると、調査してくれたレポートが出来がいいのは当たり前として、彼らが来てくれたことで組織が活性化し、社員の国際感覚が少しずつ身について来た気がする。

我々のような小さな組織だと、一人一人が入ってくることで、大きな影響を与える。だからこそ、採用は細心の注意を払わなければならないし、今回のように新たな人材の投入が活性化の起爆剤となりうる。

来春から入社する新卒学生3名(予定)も、いずれも個性派ぞろい。彼らの加入がライフネットの組織ダイナミズムにどのような影響を与えるか、今から楽しみだ。

がん治療費.com2010年09月24日

実際に重たい病気になったときにどれだけ自己負担費用がかかるんだろう、ということを改めて調べていて、とてもいいサイトにめぐり合った。

「がん治療費.com」
http://www.ganchiryohi.com/

実際にガンにかかると、標準的なケースでいくら治療費(保険診療外も含む)がかかり、自己負担費用がいくら発生し、高額療養費が払い戻されるタイミングまで書いてある。

こうやってみると、「いくらかかってしまうんだろう?」という不安から解放され、「最大でも300万くらいか」と心の準備ができる。

そもそも医療保険の最大の問題点は、「病気になったらいくら自己負担費用が発生するのか検討がつかない」ということにある。このサイトは、そういった悩みをいくらか解消し、より適切な保険商品選びを実現してくれる。

よかったらサイトを見てみてください。

事業仕分け体験談2010年09月27日

縁あって昨日、千葉県四街道市の事業仕分けに参加した。元々は土浦市にアサインされていたのだが、地元が隣の佐倉市ということで四街道に変えてもらった。日曜を一日つぶしてのお手伝い。

事業仕分けがテレビで有名になって以降、各自治体とも予算を見直す契機として(首長のパフォーマンス的な要素も皆無ではないだろうが)事業仕分けを受託する「構想日本」へ委託が相次いでいるという。

テレビでやっていたのは国の予算の事業仕分けであるが、今回は四街道市という市町村のものだった。仕分け人は他の自治体の職員で構想日本の事業仕分けを何度もやっている人たちがメイン。

感じたことは色々あるが、

・ 市民の前で一つ一つの事業の有用性を説明し、予算を正当化することは、自治体にとっても有意義な作業。
・ 市民にとっても自分たちの税金がどのように使われているのかを理解し、判断するために有用。
・ (今回のように市民が評価する場合は)仕分け人はあくまでもサポート役であるべきで、行政側と市民の間の橋渡し、「通訳」をするのが役割。的確な質問をして、市民が判断するのに必要な情報を引き出すよう努力すべき。
・ にもかかわらず、自分たちの行政観を押し付けたり、考えをもって「教えてあげよう」というスタンスが出てしまうところが見受けられたのが気になった(この点、自分はまったく市行政のあるべき姿が分からないので、純粋に数字を中心とした質問だった)

仕組み自体はとても面白いものなので、自治体や国も、上手に使っていければいいと思う。同時に(自分がテレビを見ていてあまり気分がよくなかったことでもあるが)、仕分け人は行政の担当者に対して、相応の敬意を払って、あくまでも事実を引き出し、論点を整理することに徹底すべきとも思った。

あと何回か、お手伝いする予定です。

13文字の衝撃2010年09月28日

毎週火曜にアゴラに連載中の「ネット生保立ち上げ秘話」、第25回をアップしました。先週紹介した、「付加保険料の開示」がヤフートピックスに取り上げられ、そこから伝播してく様子。

ネット生保立ち上げ秘話(25) 13文字の衝撃
http://agora-web.jp/archives/1099846.html

これまで2年半やってきて感じることは、本当に経営に魔法の杖はない、当たり前のことをコツコツ続けるしかないということと、それでも一所懸命やっていれば必ずいいことがある、ということ。

これまでライフネットの成長は、コツコツやってじわじわ成長し、定期的に大きな出来事があってドカンと増える、という方式。これまで大きな成長のきっかけとなったいくつかの「イベント」は、

2008年12月 付加保険料開示がヤフーで大きく取り上げられる

2009年3月  週刊ダイヤモンドの「プロが選ぶ自分が入りたい保険」ランキングで、死亡保障の部で1位になる
http://www.lifenet-seimei.co.jp/newsrelease/2009/1607.html

2009年6月 ワールドビジネスサテライト「生命保険 大変革時代」で大きく取り上げられる
http://www.lifenet-seimei.co.jp/newsrelease/2009/1815.html

2010年3月 新商品「働く人への保険」を発売
http://www.lifenet-seimei.co.jp/newsrelease/2010/2369.html

などなど

しかし、これらの出来事も偶然ではなく、皆でいい商品サービスをコツコツ提供し続けた結果なのでしょう。これからも、コツコツを続けていくことで、ドカンと成長するきっかけをたくさん作っていきたいと思います。