Teach for Japan2010年09月09日

米国で Teach for America (TFA) という NPO がある。貧困層で育つ子供たちは教育を十分に受けられないか、教えられたことを十分に吸収することができない。貧困地区で育った子どもたちは、10人に1人しか大学に進学しないそうである。その理由は、例えば医療を十分に受けられていないとか、栄養が不十分であるとか、そもそも教育に対して十分に親が理解を示さないなど、様々である。いずれにせよ、通常の学校のプログラムやリソースだけでは、貧困による教育の格差という問題に十分に取り組めていないのである。

そこで TFA は全米の優秀な大学生を選抜し、独自のトレーニングを施し、特にリソースが手薄になっている地域に2年間教員として派遣するプログラムを始めた。そのプログラム自体が豊かな学びを伴うだけでなく、いまやこのTFAの卒業生であるということが一つのブランドにすらなっており、リーダーとなるポテンシャルがある人材として一流企業などで優先的に採用されるようになっており、これが学生の参加意欲をさらにかき立てている。

日本は米国ほどには格差がないかもしれないが、このようなモデルで社会的課題に取り組むことが日本でもできたらいいな、と漠然と考えていたときに、日本で Teach for Japan なる団体を立ち上げてこのTFAの取り組みを再現しようとしている人がいることを知った。

http://monju.in/special/09/

松田悠介さんは中高の体育教師を務めたのち市川市の教育委員会に所属し、それからハーバードの教育大学院に留学した。そこでTFAに出会い、同様のものを日本に作れないかということを留学中に研究。帰国後は外資系コンサルに少し務めたのち、Teach for Japan を立ち上げた。一度話を聞いてみたいと思い、Twitterで連絡して、昨日皆さんと一緒にお昼にお弁当を食べた。

必ずしも知られていないが、公立の小中学校で鉛筆やノートなどの文房具代や給食費や修学旅行費などが支払えない家庭が増加して、これらについて援助をする「就学援助」を受けている子供が全国で133万人いて、もっとも高い足立区では5割近くに上っているそうだ(千代田区は1割以下)。

日本でも、優秀な大学生が小中学校の教員の「援軍」としてパラシュート降下し、彼らのリソース不足を補う役割を果たし、それから社会に出ていくようになったら、随分と大きな変化をもたらすことができるような気がする。

もちろん、文科省や教職員の方々から見て受け入れられやすいような風にするのには時間がかかろう。まずはいくつかの市町村でモデルケースみたいなものを確立できればいい。今は横浜市や開成町から興味を持ってもらえているらしい。また、まずは民間独自でできることから、と言うことで今年の夏は八王子でサマースクールを初めて実行したそうだ。

社会的課題に取り組みたいという志を持つ若者は増えているが、会社を辞めてそれに自分のキャリアを100%コミットしようとする人は必ずしも多くない。松田さんの挑戦を、応援したい。

http://teachjapan.exblog.jp/

ネット生保立ち上げ秘話、連載中!2010年09月09日

意外とTwitterなど見られていない方も多いので、こちらで宣伝。

現在、アゴラというウェブサイトで「ネット生保立ち上げ秘話」を毎週火曜に連載中です。

http://agora-web.jp/archives/1088579.html

最新号は、「第22回 2位では駄目なんですか?」ということで、2008年秋に競合のSBIアクサ社が値下げ競争を仕掛けきた話を綴っています。

ぜひお読み頂き、これまでのライフネットの歩みを振り返って頂ければと思います。