就業不能保険とは?2010年02月16日

新商品である「就業不能保険」(通称、ディサビリティ)については、大いに反響があった。
http://www.lifenet-seimei.co.jp/newsrelease/2010/2260.html

他の保険会社にお勤めの皆さんからは、

「そうくるか~ さすがライフネット」
「確かに、いま必要な商品だと思う」
「同業者も加入できますか?」

といった趣旨のコメントを頂いている。某社の商品開発部長からは、早速アポ依頼が入りました。

さて、新商品について、いろいろと質問を頂いているので、現時点でお答えできる範囲でご説明を。

*****

● 「就業不能状態」とは?

プレスリリースに添付した仕組み図に示されていますが
http://www.lifenet-seimei.co.jp/newsrelease/detail_img02.gif

・ 被保険者が傷害または疾病により
・ 日本国内の病院もしくは診療所への治療を目的とした入院または日本の医師の指示により在宅療養をしており、
・ 少なくとも6か月以上、いかなる職業においても全く就業ができないと医学的見地から判断される状態

としています。

さらに、「給付状態となってから最初の180日間は、支払いの対象外」となっているように、短期で治るような場合は除外し、本当にクリティカルなケースに限定することで、保険料の引き下げを図っています

● 家計保障定期、収入保障保険との違いは?

名前が似ていますが、まったく異なります。上記は基本的には被保険者が亡くなったとき、あるいはそれに準じる「高度障害」のみに支払われる、死亡保障です。

● 所得補償保険(損保)との違いは?

こちらは「就業不能」が支払事由となっている点が似ています。主な違いは、

・ 損保はほとんどが団体型。企業を(病気の療養のために)退社したり、転職したのちでは、給付金を払ってもらえない
・ 損保は実損てん補=給付金額が前年の平均給与の●%まで、と制限されている。給付を受ける前年に何らかの理由で所得が減っていたら、期待していた金額を受け取れない可能性
・ 損保はほとんどが短期保障(1~3年)。ライフネットは65歳まで保障
・ ネットで簡単に加入できるのはライフネットのみ

● うつ病など、精神疾患を対象外としているのは?

うつ病などの人が増えているのは理解しているのですが、いまは
・ 長期に渡って信頼できるデータがないこと(どんどん増えているので)
・ モラルリスク(精神疾患が心配な人ばかりがネット経由で大量に加入して、保険料算定の基礎が害されてしまう)を防ぐ確立した手立てがないこと

などから、発売当初は精神疾患を除外することにしました。

しかし、社会的ニーズがあることは理解していますので、将来は、検討していきたいと思っています。

*****

まだいろいろとご質問があると思いますので、追ってご回答致します。

コメント

_ 高木 ― 2010年02月16日 21:22

こういう商品がほんと必要なんですよね。ライフネットさらなるブレイクの予感です!
自分たちの都合ばかり考えた無意味な商品・特約ばっかり開発している保険会社や共済団体には、こういう商品を大々的に売るのは無理でしょうね。

_ 通りすがりの外資生保 ― 2010年02月17日 00:48

新商品の発表おめでとうございます。

現場にいる人間として、確かにお客様からよく『働けなくなった場合が心配です』というご要望をお受けします。そういった観点では潜在ニーズは高い商品だと思います。また、ご指摘の通り「定額給付」というのは分かりやすくて良いと感じます。あとは現場感からすると、精神疾患が対象だったらよかったなぁと思いますが、これはご案内の通り、なかなか難しいのでしょうね。。。

一方で、「いかなる職業においても全く就業ができないと医学的見地から判断される状態」 という支払査定がやはり気になります。
『働けない時の保険』という漠然、かつアナログなお客様の期待値に応えられる保障となりうるのか・・・そこが勝負処かと思います。

仮に自分がこの商品を扱いお客様にお勧めすることを想定してみました。その場合、給付条件に関してお客様と厳密な合意形成がないとちょっと恐いかなとも感じます。この点について、次のような見地からの詳細情報の開示(例示)を期待します。それに納得できれば報酬体系が個人事業主という身分の私自身が加入検討したい商品でもあります^^

・支払対象、つまり給付OKの確定診断は誰がするか(ドクターは自己の担当医、あるいは御社の社医)

・給付開始後の給付継続のチェック方法や頻度(就業不能からの回復時をどう計測するのか、若干回復しても65歳まで払われるのか)

・完全回復時は再度保障がスタートするのか(もちろん保険料負担前提で)あるいは初回の給付開始にて保険は終わってしまうのか

・「いかなる職業」とは自己の本来業務以外の単純作業などを含むか
 (例えば単純な内職作業など出来る場合は支払われない?)

などなど

_ ryota ― 2010年02月17日 21:23

さすが「通りすがり」さん、鋭い所ついてますね。岩瀬さんからの回答が楽しみですね。そしてその後、「通りすがり」さんとの論戦に発展しそうな...

_ 通りすがりの外資生保 ― 2010年02月18日 18:28

ryotaさん、こんにちは。

ありがとうございます。
でも、論戦をするつもりでの質問ではありません・・・念のため^^;

過保護と言えるほどの消費者保護という環境下で、「正直でありたい」というブランディングをしたLNさんが、この難しい分野を手掛けたことに純粋に驚きがあり、また同時にその可能性に期待も持っています。ディスアビリティはその難しさもあってか、確かに遅れた分野なんですよね。。。業界を刺激することになるかもしれませんね。

こと保険に関しては、終身保険がどうしても嫌いな岩瀬さんよりもたぶん僕のほうが柔軟的でバランスがいいと思いますので、良いものは良いと素直に認めます。。。

岩瀬さん、ジョークですよ、ジョーク(笑)

_ 後田亨 ― 2010年02月18日 21:10

こんばんは。新商品、私は歓迎しています。

通りすがり・・さんが書かれているように、「どうするんだろう?」と感じる部分もありますが、これから、いろんなことが説明されるといいと思います。

*精神疾患は、たとえば、病歴がある方について「完治したかどうか、判断が難しい」という理由で、「医療保険」などでも引き受けできないケースが多いですよね。

_ ryota ― 2010年02月22日 15:39

通りすがりさん、何か煽るようなコメントをしてしまってすみませんでした。ただこのブログを開設当初から興味深く見ている者として、通りすがりさんと岩瀬さんの掛け合いはかなり見ごたえがありましたので、つい又何かを期待してしまいました。通りすがりさんの、一見攻撃的に見えながらも、ジョークを散りばめて不穏な空気が流れないようにしているコメントをいつもハラハラドキドキ見ていました(最近は随分と穏やかになりましたね)。

_ ピッピ ― 2010年02月25日 00:12

このような新商品を企画するのはすばらしいと思います。
実際の支払い査定がどうなるのかはまだわかりませんが、
各保険会社がこれから取り組むべき分野だと思います。
個人的には『うつ病休業保険』があったらなあと思います。
モラルリスクなど難しいでしょうか。

_ あつまろ ― 2010年03月23日 19:24

最近になって、ライフネット生命さんが、「就業不能保険」の取り扱いを開始したことを知りました。大歓迎です。

この種の保険(≒長期所得補償保険)は、数年前より期待していたものであり、ライフネット生命さんがいかに必要な保障を理解しているかがわかります。

精神病関連の保障は、情報量からも取り扱い対象外ということですが、実際には「うつ」など精神的な問題から就業に問題をきたすケースが多いのでニーズが高い分野になるので、精神関連の病は、それ自体が解明されていない部分が多くあり、難しいのは承知していますが、ぜひ今後も検討して頂きたいです。
最近は脳科学の進展も少しずつ進んでいると言いますし、精神病の定量化(可視化)が進むと、保険にするのもハードルが下がるかもしれませんね。
医療の発展とともに保険の発展も期待しています。

_ 良い生命保険選びたい人 ― 2010年06月27日 00:05

こんばんは。
私、この保険は面白いと思っています。
もう少し調べてみて、入ることを検討しています。

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_ あつまろのこだわり資産運用 - 2010年03月23日 19:15

あつまろです。

前回、死亡保障も医療保障も
不要という結論に至りました。

しかし、それでも保険加入を検討しています。

では、なんの保険に加入を
検討しているかというと、
病気や怪我の治療ではなく、
その後の生活についてのリスクに対して、
保障が不足....

_ あつまろのこだわり資産運用 - 2010年03月28日 21:17

あつまろです。

3月28日の日経新聞で、
『「就業不能」どう備える?』
という記事が書かれていました。

ちょうど、あつまろも
この記事が書かれる5日前
3月23日に
「この保険に加入しようと思っています。」
というエントリーをしてます。

就業不能に....