life is too short2010年10月06日

昔のブログを久しぶりに開いたら、毎日アップしていた。今から考えると、我ながらよく続いていたなと思う。

以前のように書けなくなった理由はいくつもあるが、他に自分の考えを発信するメディアが増えてしまったことが多いように思う。以前は、何か伝えたいことがあったら、ブログを通じて訴えるしかなかった。

それが、Twitterが出てきて、アゴラの連載が始まり、マネックスメールも隔週で書き、かつ数カ月に一度だが日経ビジネスでも連載がある。論文も書いているし、本も執筆している。キーボードを叩く、精神的な余裕がなくなっているのです。

それでも、昔を読み返してみると、毎日更新している方が、その時々の様子がわかっていい。あぁ、あのtwitterの内容をブログにアップできるのがいいですね。アサブロでもできるのかな?

手段は何であれ、life is too short、毎日必死に、力強く生きた確かな証を、残したいものだ。それが、私にとって書くことの大きな原動力の一つ。もちろん、書いたものを通じて一人でも多くの人に我々の挑戦を知ってもらう、という会社のPRになることも大きいですが。

北九州~長崎2010年10月08日

今日はこれから北九州へ。西南女学院短大の「キャリアデザイン論」という授業でお話をさせて頂くことに。普段は「起業したい!」とか「留学したい!」という方々を前にお話しているので、いつもとはちょっと違った聴衆になる。ライフネットの起業物語を聞いて、学生の皆さんはどう感じられるのだろうか。

明日は、長崎県五島市で事業仕分けのお手伝い。これは、「構想日本」というシンクタンクが行政から委託を受けて行うものだが、以前から知人の弁護士である石渡進介氏がかかわっていて、もう少し民間人が入った方がいいということでお声がけ頂いたもの。週末のボランティア仕事だが、特に今回のような市町村レベルだと市民に密着した行政、政治のあり方を学ぶ上では大変興味深い。

明後日は、再び北九州へ戻り、地元のFPの方々の勉強会にて生命保険について講演。その後、帰京。ライフネットの仕事を始めてよかったことは、今回のように様々な人に出会い、お話をする機会に恵まれたことかな。地道な会社のPR活動それ自体が、個人にとっても成長の場となっています。感謝。

ゲリラ戦2010年10月12日

アゴラで連載している「ネット生保立ち上げ秘話」第27回をアップしましたので、よかったらお読みください。

http://agora-web.jp/archives/1107361.html

前回の第26回では「ゲリラ戦」ということで、千原ジュニア氏にトークショーで「生命保険のユニクロ」として紹介された話などを紹介しました。

今回の第27回ではその後、2009年春から夏まで怒涛の勢いで行ったさまざまなマーケティング施策について振り返ってみました。こうやって書き出してみると、かなり色々なことをやったなぁ。

このように色々なマーケティング施策にチャレンジできたのも、お客様サービス部門が良質な顧客サービスを提供し、システム部門が安定したインフラを守ってくれたから。ビジネスって、本当にサッカーや野球のようなチームスポーツだということを痛感します。

ゼロ金利の弊害2010年10月13日

今朝の日経新聞で、大手生保が長期金利の低下に伴い養老保険の保険料を引き上げたことが書かれていた。

長期の金融商品である生命保険にとって、低金利の影響は大きい。「生命保険のカラクリ」でも紹介したが、ゼロ金利政策に伴い、養老保険の保険料は50年前の1959年よりも高くなってしまっている。

(30歳、30年満期、保険金100万円の養老保険の年払い保険料)
1946年11月 37,600円
 ↓
1959年4月 28,900円
 ↓
2001年4月 31,416円
 ↓
2010年9月 ○○○円(同条件で調べていません、失礼)

実現できない予定利率を約束するわけにはいかないので、保険料の引き上げはやむを得ないわけだが、それにしてもゼロ金利政策が利息収入の逸失という意味で家計にとって大きな打撃になることを感じる。

金利の引き上げは国債の利払い増、企業金融への打撃などを考えて難しいのは理解したうえであえて言うが、いわば(一時的な危機的状況はさておき)定常状態で長期金利が3-4%で生き延びることができない企業を、本当に延命させる必要があるのだろうか。

そもそも金利収入を得たことがない世代は、複利効果や資本コストといった概念を理解することが難しい気がする。小学校の時にイギリスにいて、形だけの銀行口座を作ってもらったが、引き出すのに小切手にサインしたり、毎年利息が払われているのを見たりして、幼心にもお金が増えている様子を体感したものだった。

金利の概念を体感する機会が失われるほど、国民の金融リテラシー(という表現が許されるとして)が弱くなっていくような気がする。

名目と実質2010年10月14日

「ゼロ金利だけどデフレだから実質金利は高いのでは」というのは理論的な説明としてはそうかもしれないが、人々の行動に影響しているのか、実感がわかない。

金利については、「金利0.1%しかついてないけど物価が1%下落しているから実質1.1%の利息がついてる、ラッキー」と思う人はあまりいなそうだし、「期待インフレ率15%だから、金利15%(=実質0%)でたくさんお金を借りよう」と思う人もきっといないのではないか。

あくまで事後的な説明として、長期の均衡が成り立つ、くらいの意味合いにすぎないように思う。

他方で賃金などについては、インフレが急速に進んでいる場合は賃金を上げてくれ!とリクエストはするだろうが、デフレがゆっくり進んでいるときに「昇給して生活が豊かになっている」と感じる人もあまりいないのでは。「ユニクロ安くて便利だな」はあるでしょうが。

just some thoughts です。

ネット選挙・ネット投票解禁に向けて2010年10月19日

今日は夕方17時~19時で内閣府IT戦略本部の「情報通信技術利活用のための規制・制度改廃に関する専門調査会」に出席してきます。

http://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/kaikaku/dai1/kaisai.html

会社が発展途上にある現在、本来であれば本業以外のことに意見を申せるような立場では(まだ)ないのですが、会社の成長とともに自分たちができる範囲でよりよい日本を作るために微力ながら貢献できればと考えて、参加の打診を受託しました。

内容は、これまでの様々な会議体の中で提案されてきた、ITの利用・活用を妨げる既存制度の見直しについて、重点的に検討すべき項目を選び出し、意見をまとめるというもの。

事務局ですでに74項目が候補として提案されているのですが、個人的にはインパクトの大きさと利害調整の難しさという観点から、特に

① ネット選挙、ネット投票
② 医薬品のネット販売
③ デジタル教科書

といった分野について土俵にあげて、議論してもらいたいと考えています。74項目の中には、「解約返戻金がない保険契約については書面の交付で確認を取ること」という、ネット生保に大きく関係するものも挙げられているのですが、これは別の場で主張することにしよう。今回は、もっと影響範囲の大きなものに照準を合わせたいと考えています。

政府の専門調査会、体験記2010年10月21日

火曜日に参加した、IT戦略本部の規制緩和専門調査会に関するご報告。

メンバーは、30代~40代の方が多く、この手の会議としてはとても若いそうだ(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/kaikaku/kousei.html)。

この調査会に与えられたタスクは、「情報通信技術の利活用を阻むような規制・制度・慣行、サービスの仕組みそのものの在り方や運用等の洗い出しを行い、国民にとって利益となる形で抜本的に見直すために必要な調査を行う」こと。

具体的には、事務局の方で選んだ46項目の規制をベースに、詳しく議論をする対象を絞り込んで行こうということだった。
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/kaikaku/dai1/siryou7.pdf

スケジュール案を見て気がついたのは、11月中に「Aランク」項目については一通りの議論を終えようとういこと。
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/kaikaku/dai1/siryou6.pdf

ということは、ほとんど時間がない。会合は開催できてもせいぜい2-3回。かつ、ひとつの案件に1時間使ったとしても、4-5個しかできない。したがって、すぐにでも「Aランク」に絞り込むことが必要だと考えた。

そして、この手の審議会の過去の議論の経緯などを見ると、絞り込みのプロセスが明確でなく、各委員が気になってコメントした項目がそのまま残っていることが多い。でも、これではたまたま各委員が関心があったり詳しい項目が優先的に取り扱われることになり、よくない。

例えば、今回でいえば「42番 保険契約の解約返戻金がないことを記載した書面の電磁的交付」というものがある。ライフネットはこれに該当するため、ネット完結ができず、お客様から書面にサインして返送頂いている。オペレーション効率化の観点から言えば、この規制を緩和してもらえたらありがたいことこの上ない。

しかし、私はライフネット生命、ないしネット生保の利益代表としてこの専門調査会に参加しているつもりはない。あくまで国民の代表として参加しているのである。上記の規制は撤廃すべきと考えるが、それによって恩恵を被る人の数はまだ限られているし、それは金融庁と直接折衝すればいいことである。このような省庁横断的な場における貴重な時間を使って、自社や自分の産業の利益だけを主張するべきではない。

したがって、今回は以下のことを提案しようと考えた。

① 時間的制約を考えると、「Aランク」とするのは3-5個に絞るべき
② 絞り込みの基準については、透明性、納得性の観点から、どのような基準とプロセスで選ぶかを事前に合意すべき
③ 時間がないから、仮説ベースでどんどん進めるべき

上記に従って、以下のような資料を提出した
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/kaikaku/dai1/siryou8.pdf

そして発言のタイミングで、上記の①と②について合意しませんか、と提案した。基準はたたき台なので、これじゃなくてもいい。しかし、ルールがないまま前に進むのでは、後だしじゃんけんのようになってしまう。

しかし、である。

座長の野原佐和子氏は私の提案にあまり時間はさかず、「座長の判断として、各自委員の意見を聞く形で進めます」と述べた上で、漫然と各委員に意見を求め始めた。

これではせっかくの提案が生かされないので、何度となく上記の意見を述べた。なかには、「おおむね岩瀬委員の意見に賛成、しかし修正を施すべき」といったように同調する意見も頂いたのだが、概して会議はとくに結論めいたものがないまま終わり、「また次回も集まって皆でお話しましょうね」という雰囲気で終わった。

事務局から事前に渡されている議事進行通りにやらないといけないのだろうか。何となくアドホックに各自から意見を聞けばいい、と考えてらっしゃるのだろうか。

しかし、そもそも調査会のミッションが絞り込みを行うことであり、かつ時間が限られているのであればなおさら、議長の仕事は、会議で何が決まったかを整理し、確認し、次回までの宿題を確認することではないか。

間に担当する政治家の方々(内閣府、経産省、総務省の政務官)からのお話などもあり、2時間はあっという間に終わってしまったが、結論もない会議に、フラストレーションがたまった。

終わってから、他の委員と立ち話をした。同じ意見を持ってくれた方が何名かいた。別途、朝食かお昼でも食べながら意見交換しましょう、ということになった。

あまり多くを期待しすぎてはいけないのだろうか。いや、そんなことはない。あまりうるさく言うと、もう呼ばれなくなってしまうのかもしれない。しかし、自分は別に政府の御用委員になりたいわけではない。正しいことを主張する機会を与えたのだから、その任務は果たしたいと考えているだけだ。

火曜の会議の議事録がアップされるまではもう少し時間がかかるのでしょうが、まずは第一報まで。

ネット生保のアフターサービス2010年10月22日

東洋経済の今週号は、またしても(?)保険特集。最近、雑誌等で保険特集が増えているような気がするのは、自分が保険の仕事をしているからよく目につくだけなのか、世の中のニーズが高まり実際にも増えているのか。

特に今回興味深かったのは、アフターサービスやコンタクトセンターについても各社のランキングをしているところ。

ネット生保について、ある大手生保の担当者(実名入り)は次のように述べられている:

「ネット・通販系とも基本的に支払いはすべて“受け身”です。保険契約者から請求を受けてから支払うという仕組み。われわれの強みはアフターサービスです」

これ、よく分からないのですが、ネット・通販じゃない会社は、請求がある前にお客様が保険事故にあったことを発見し、支払うということなのでしょうか。

それはさておき、コールセンターは生保15社に覆面調査をした結果、ライフネットはランキングが「A」でした。15社中「A」を取ったのは3社だけなので、とっても誇らしい。

商品説明力についてのコメントは、「踏み込んだ質問、適切な提案、まさにコンサルティング」と書かれていた。who said net-seiho doesn't do consulting?

最後に、38社の「アフターサービス」ランキングも、ライフネットは19位。しかし、これは「契約者への郵送物による情報提供度」というところで、当社はメールが中心なので、点数を落としたことによる。仮に年に1回、郵送物を送っていたら、順位は9位に跳ね上がる。半期に1回だったら、5位!

ということで、これまでは「入口」の議論が多かったようだが、コールセンター、そしてアフターサービスについても、実質的には高い評価を頂けたものと喜んでいます。

週末は、保険学会の全国大会で発表です。
http://wwwsoc.nii.ac.jp/jsis2/conference/

保険学会全国大会にて報告2010年10月25日

10月23日(土)、24日(日)の二日間に渡って日本保険学会の全国大会が開催された。二日目の「経営・経済・商学系セッション」にて「ネット生保の実態と将来像」とのタイトルで報告を行った。

(報告要旨)
http://wwwsoc.nii.ac.jp/jsis2/conference/resources/h22/abstract/iwase.pdf

(当日のプレゼン資料)
http://wwwsoc.nii.ac.jp/jsis2/conference/resources/h22/resume/iwase.pdf

内容はネット生保について販売だけでなく、申し込み以後のオペレーション面を「非対面ゆえに引受リスクが高まるのではないか」という観点について説明した。また、ネット生保のいいところばかりでなく、抱えている色々な課題についても共有した。

最後の結語は、以下の通りで締めくくった:
• ネット経由の申し込みは若者中心に増えており、今後も成長すると考えられる。もっとも、顧客属性は偏っており、どこまで一般化できるかはまだ分からない。

• ネット生保は営業効率を高める可能性を秘めているが、ネットに置き換えたから自動的にコストが下がるわけではない。マーケティングの工夫が必要。

• 引受リスクは今のところ大きな問題となっていない。もっとも、これは現状の顧客属性によるところも大きく、今後は悪化する可能性は否定できない。

• 契約後の顧客管理については、ネット以外の手段を用いた連絡などで顧客保護を図ることが不可欠。

• ネット生保以外の生命保険会社にとっても、自社のビジネスモデルにどのようにしてネットを活用していくかは、経営の重要な戦略課題となろう。

*****

今後も、自分たちのビジネスに集中するだけでなく、そこからのラーニング・学びを業界に還元できるようにしたいと思います。

旧司法試験の成績開示請求2010年10月27日

大蔵省のキャリア官僚の話を綴った文春新書を読んでいて、元証券局長の長野氏が「国家一種1位、司法試験2位で合格」とあった。また、一人一票運動を推進されている升永弁護士も司法試験を2位で合格されていた、という話を聞いた。

「もしかして、俺も2位で合格していたらどうしよう」

と思って、大人げもなく「開示請求」をしてみました。

まぁ、この年になって学生時代の成績をどうこう言うこと自体おかしいのですが、行政への情報開示請求を体験してみるということで試してみましたので、お付き合いください。こういう話題が好きな人もいるでしょうし、何より司法試験受験生の皆さんのコーヒーブレイクとして。

10月19日、霞が関に用事があったついでに、日比谷公園の隣にある法務省に書類を提出。わずか1週間で、成績が郵送で送られてきた。「2週間後以降」と言われていたので、お役所の事務にしては速いなぁと感心。

肝心の成績:

【平成8年】
受験者数 21,921人   択一合格者 5,239人
論文合格者 768人    口述合格者 734人

* 口述は前年の論文合格者のうち口述不合格者が翌年、口述から再受験する権利を持っているので、人数が分かりにくいです * 

1. 短答式
憲法 14 民法 14 刑法 19 合計 47点
成績(順位) 1323 合格

2. 論文式
憲法 A 民法 B 商法 C 刑法 A 刑訴 C 国私 B
成績(順位) 405 合格

3. 口述
成績(順位) 776 不合格

【平成9年】
受験者数 23,592人  択一合格者 5,681人
論文合格者 763人  口述合格者 746人

1. 短答式
憲法 15 民法 17 刑法 16 合計 48点
成績(順位) 881 合格

2. 論文式
憲法 C 民法 A 商法 A 刑法 A 刑訴 C 国私 A 
成績(順位) 110 合格

3. 口述
成績(順位) 153 合格

【総括】
・ 択一は1年間勉強して、1年しか上がらなかった・・・
・ 1年目の口述試験、ほとんどビリ・・・
・ 刑事訴訟法は2年連続「C」
・ 2年目はさすがに(司法試験予備校で1年教えていたので)まぁまぁいい成績だが「2位」には遠く及ばなかった・・・

失礼しました!