古典とビジネス2009年06月22日

今日発売の東洋経済は「古典が今、おもしろい!」という大特集。

ページを開くと、我らが出口治明が満面の笑みで登場・・・生保の取材よりもイキイキとしている気がする。「論語」や「孫子」というとちょっとありがちな感じがするけど、出口が紹介している古典はなかなかディープ。

「特に好きなのは、やっぱり人間を描いたもの。古典というのは、男、女、支配者、被支配者、被支配者など、人間とその社会が深く多面的に描かれている。人間が分からなければビジネスはできない。」

なるほど。そして、お勧めの本は?

・ 「ギルガメシュ叙事詩」~世界最古と言われる古典だが、今読んでも面白い。

・ 「ギリシア悲劇全集」~全13巻からなるが、まずは「アイスキュロス」と「ソポクレース」から読むのを薦めたい。

・ 「マハーバーラタ」~人間の愛、欲望、すべてが描かれている。

・ 「トリスタン・イズー物語」~異性を好きになったら繰り返し読むべし。

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出口と机を並べて仕事をするようになるまでは、このような古典がビジネスに役立つとは思ったことがなかったのですが、人間に対する深い洞察は、ビジネスジャッジメントのときにも威力を発揮するのだな、ということがよく分かりました。

「タテ」(=歴史)と「ヨコ」(=地理)を見ることで、世界で何が起こっているか、自分はどう行動すべきか、についての正しい示唆が得られるという主張には、なるほどと思う。

先日行われたFACTA阿部重夫さんの出版記念パーティでも、阿部さんのことを指して、「マサイ族が視力6.0であるように、我々には見えない遠くまで見える人」という挨拶をされていた方がいたそうですが、歴史と地理に関する深い知識と洞察を身に付けた人は、現代の世界を眺める眼差しも、また違ったものなのでしょうね。

ちなみに、FACTAも一押しの経済紙です。経済のカラクリについて理解を深めたい方は、ぜひ読まれたし。

今日は、これからパネルディスカッションに参加
http://www.m-out.com/lp/lp2.html