社会を変えるには2009年06月11日

医療政策国民フォーラムの第二回検討会に参加してきた。そうそうたるメンバーに囲まれ、自分だけがまったくのド・素人のため、とっても場違いな感じがして、珍しく緊張して大人しくしていた。内弁慶な私。


今回は各政党に選挙前に提示すべきマニフェストを取りまとめようというとこで、皆さんで議論をした。議論を黙って聞きながら、「どうやって社会に変革を起こすか」ということについて、考えさせられた。


メンバーのほとんどの方が、「本当に大切なこと」が何かを求めて議論しているように感じた。しかし、「何度も日本の医療政策のあるべき姿については議論がなされており、答えは10年前から分かってるんだ。いろいろな形で提言をしているが、政治が実行してくれない」という声があったように、何が「正解」かは、皆が分かっているのであり、難しいのは答えを出すことではない。むしろ大切なのは、どのようにして少しでもいいから実行し、一歩でもいいから前に進めるかという現実的なアクションプランなのではないか。


自分も以前だったら、コンサル的に全体像をきっちり描いて、理想的な絵柄を整理して、抜本的な制度改革を求めたことだろう。でも、今は違う。どれだけきれいな絵を描いても、結局実行されなかったら、まったく意味がない。そんなことよりも、どんなに小さなことでもいいので、実行可能をやりたいと思うようになった。


政治家の先生が「面白い!」と思ってくれる小ネタで、かつ利害関係者の尻尾を踏むようなものでないものを探して渡してあげて、まずは小さな一歩を歩む。その小さな一歩が次の一歩に続き、それをひたすら繰り返していくことでしか、社会は変わらない、そう思うようになった。


そして、もっといいのは、評論したり提案したりするだけでなく、自分ができることからはじめること。生保を立ち上げて安い商品を作り付加保険料を開示することは、出口なりに自分で実行できることをやったのだろうし、山口絵理子さんも、途上国の援助プログラムを立ち上げることではなく、小さな、小さなビジネスを立ち上げることからはじめている。どんな改革も、ドラスティックなリストラクチャリングではなく、小さな実践の積み重ねでしかないのではないか、そう考えるようになったわけだ。