医療保険は必要か2009年12月01日

私が横着している間に、ロンロンさんから頂いてた質問に後田さんと通りすがりの外資生保さん(以下、「通さん」と略す)が回答してくださっていた。ありがとうございます。
http://totodaisuke.asablo.jp/blog/2009/11/26/4722174#c

質問の一点目、「なぜ国は高額療養費制度などの公的制度を認知させようとしないのか?」という点については、積極的に隠そうとしている訳ではなく、「誰もそのミッションを負っていないから(他の制度と同様、自然に広まるものと思っている?)」ということに尽きるのでは。

日経新聞やマネー誌で特集をやったとしても、それをメディアが自主的にやっているものだし、これらを読んでいるのは全国民のわずかに過ぎないので、もっと国が積極的に認知を高めるよう取り組む必要がある。

さらに推し進めて、この公的保険を補うものとして存在する民間保険会社にも説明を義務付けるべきと、個人的には考えてます。なんせ、国民から数兆円規模の事業費を頂いているわけですから。

二点目、「なんで正直に説明して、ライフネットの儲けに繋がらないことをやるのか?」という質問について。

そもそも私たちが新しい保険会社を作ったのは、現状の歪んだマーケットに乗じて生保をたくさん売って儲けようということよりも、いい保険会社を作って、個人マネーの流れを適正化できればいいな、という思いなので、お客様には売り手と買い手との間に存在する大きな情報の非対称は解消したい、という思いが強いのです。

もちろん、通さんがご指摘の通り、生保営業に対する不信が大きい現状では、「本当のことを言うことが信頼される」という狙いもあります。

さて、コメントの最後の方で、「岩瀬さんは本当は医療保険は不要だと思っているのに、商売上売らざるを得ず、悩み苦しんでいるのでは!」みたいな声がありました(笑)。

民間医療保険については、「必要」「不要」という二元論ではなく、「ある層の人たちには効用が大きいし、ある層の人たちには効用は必ずしも大きくない。これまでのように「とにかく医療保険に入らなきゃ!」ではなく、きちんと仕組みを理解した上で、自分が欲しいかどうかを判断してもらいたい」という考えでいます。

理屈でいえば、年に4-5万円払って、受けられる給付が数10万円、というのは必ずしもいいコスト・リターンではないかも知れない。それでも、じゃぁその保険に入っていなかったとして、コツコツ月に3-4千円、医療費のために積み立てているかというとそうではなく、おそらく費消してしまう人もたくさんいるのでは。この人たちには、医療保険は必要、と十分言えるはず。

そうすると、
・ 保険料相当分を貯蓄して医療費として備えられる人
 ⇒ コストとしてあまり見合わない可能性あり
・ 深く考えずに、お金を使ってしまう人
 ⇒ 食費に使っていたかも知れない数千円をガマンすることで、いざというときに数十万円得られるなら、効用は大きい

ということになる。

あとは、
・ 貯金がたくさんある人 and/or 心配性じゃない人 ⇒ 医療保険の効用は小さい 
・ あまり貯金がない人 and/or どちらかというと心配性で保険で安心を買いたい人 ⇒ 医療保険の効用は大きい

いずれにせよ、その判断はすべての事実とソロバン勘定をした上で、自分のリスク感覚に合わせて選ぶべきで、これまではそれがなされないまま、「とにかく入らないと不安だ」という風になっていたことが問題だ、ということです。

ライフネットでは、入院給付金を中心とした、超シンプルな医療保険を用意しています。60日型と180日型も提供することで短期から長期入院まで対応し、同時に高額療養費制度などに関する説明と多くのデータを提示することで、「あなたは必要?不要?」とご自身で決めてもらえるよう、情報提供をしています。
http://www.lifenet-seimei.co.jp/insurance_medical/benefit/index.html

ちなみに、たまに質問されるのですが、医療保険の保険料水準が必ずしも定期保険ほど圧倒的に低いわけではないのは、医療保険については死亡保険と違って業界共通の発生率データが存在しないため、新設会社としては純保険料部分について、厚労省の患者調査など公的データから、保守的な料率設定をせざるを得ないため。付加保険料は「15%+α≒20~30%」ということで、定期保険と同じなのですが。
http://www.lifenet-seimei.co.jp/shared/pdf/premium_200811_02.pdf

あとは、個々人の判断とは別に、マクロで見たときに、やはり五兆円近い保険料が毎年払い込まれているわけですから、それは医療費の適正化という観点から、そのお金の流れが最適化されるよう制度設計をしていく必要がある、という大きな問題意識は持っています。

あまりまとまっていませんが、取り急ぎ、今の考えです。

使い分け2009年12月02日

最近、意見を発信するための媒体がいくつもあり、使い分けが難しい。正確に言うと、複数の媒体で定期的に発信を続けなければならず、媒体の特性に応じたテーマ選びが難しい、ということ。

Twitter(毎日複数回) → 日々のつぶやき。ワード少なめで完結できること。

個人ブログ(毎日) → 内容は自由だが、一応一つの小話程度にはまとまっている必要

マネックスメール(隔週) → もう1年以上連載が続いているか。「目からウロコの保険塾」というテーマなので、それに見合ったものを、メールで読める簡潔な分量に。

社内SNS(不定期) → 社内向けのつぶやき+α

社内全社メール(週に一回) → 1週間に1回のつぶやき

保険業界紙などへの寄稿(不定期) → 不定期、業界人向け

いまのライフネットにとってはPRが最大の仕事なので、できる限りのことはしたいのですが、頭がこんがらってくる~ という内容も、Twitterで書けばあっという間なのでしょうが。

おやすみなさい。

社員ブログ 2009年アクセスランキング2009年12月03日

2009年もあと少しということで、ライフネット社員ブログをページ・ビューのランキングで振り返ってみました。

◆ 10位 書き手のココロ と データモンキー
http://staff-blog.lifenet-seimei.co.jp/2009/05/post_239.html
# マーケティング部松岡のヒットを続ける調査リリースについてのエントリ

その後、社員自己紹介のエントリが続きます。
思わず読みたくなるタイトルが多いですね。

◆ 9位 息子の夢、親知る由もなく(マーケティング部・川端)
http://staff-blog.lifenet-seimei.co.jp/2009/04/post_222.html

◆ 8位 がっかりされる質問(コンタクトセンター・畑野)
http://staff-blog.lifenet-seimei.co.jp/2009/04/post_237.html

◆ 7位 うちゅうとたこ焼き(コンタクトセンター・永川)
http://staff-blog.lifenet-seimei.co.jp/2009/04/post_241.html

これ以降は、岩瀬ブログからリンクされたページが上位に食い込んでいます。

◆ 6位 ちょっと照れ臭いですが(お客さまサービス部・馬場)
http://staff-blog.lifenet-seimei.co.jp/2008/12/post_159.html

◆ 5位 Is this right?(数理部・片切)
http://staff-blog.lifenet-seimei.co.jp/2008/11/is_this_ri...

マーケ施策で、いろんなところで紹介されました。
◆ 4位 支店統括部
http://staff-blog.lifenet-seimei.co.jp/2009/10/post_330.html

◆ 3位 吉本プロモサイト立ち上げ日誌(マーケティング部・堀江)
http://staff-blog.lifenet-seimei.co.jp/2009/01/post_173.html

第2位は当社随一のエッセイスト、お客様サービス部・古川(響)のエントリ
◆ 2位 社長室
http://staff-blog.lifenet-seimei.co.jp/2009/03/post_209.html

そして、栄えある第1位は
◆ 1位 口コミしたくない、ヒミツ
http://staff-blog.lifenet-seimei.co.jp/2009/03/post_206.html

「ライフネット生命 評判」「ライフネット生命 口コミ」
という検索キーワードで圧倒的な流入を集めた、取締役マーケティング部長・中田のエントリでした。

来年も面白いブログエントリに期待してください!

スピーチ2009年12月07日

週末に、ハーバードの同級生の結婚式があった。

広告代理店 ⇒ 留学 ⇒ ゴールドマン ⇒ 投資ファンド

という、絵にかいたようなHBS卒業生のファンドを歩んでおり、出席者もファンドの人ばっかりで、デジャヴ感あったのだが、今日の本題はそれではない。

代理店時代の上司のスピーチが、秀逸だったのである。皆さんのスピーチに使えそうな内容なので、ぜひとも共有したい。

主賓のスピーチというと、普通はかしこまったものになりがちなのだが、出だしからして違った。

「えー、先日の亀田と内藤の試合は視聴率が40%を超えまして、これは紅白並みの視聴率でした。」

このスピーチは、どこへ繋がるのだろう。期待を誘う。

「亀田の記者会見を見て、気付いたことがあります。

 新卒で入った頃の、新郎のY君に、非常によく似ているのです」

なにー、そう来るか。どこが似ているのだろう。

「Y君は、いい大学を出て、非常に優秀だったことは間違いないのですが、まず、敬語がまったく使えない。ここが亀田に似ています。」

なるほど。

「そして、当時はブランド物が流行っていたので、彼もプラダの靴などをよく履いていたのですが、いかんせん、洋服のセンスが悪い。そこも亀田に似ている」

くー。

「先ほど、冒頭に彼から皆さんへご挨拶がありましたが、それを聞いていて、彼も留学を経て、ずいぶんとオトナになったなぁ、と感心していました。

オトナになった、という点もまた、亀田に似ている」

まいった!

というわけで、「短所だけど本当の短所ではない短所」とか、「時事ネタの亀田との共通点」など、今後のスピーチに、非常に参考になる点が多く、学びが多かった披露宴でした。

同じテーブルの人はファンドか投資銀行の人の男子しかいなくて、金融の男ばかりで名刺交換している、あまりドキドキしない披露宴でもありましたが。

やっぱりプレゼンはビジュアルで2009年12月08日

いつもは同年代か年下の皆さんにプレゼンテーションしているので、軽ーいノリの、写真が散りばめられた資料を使ってやっている。

昨日ははじめて?全員が年上(40代以上~)という場で講演することになった。

「いつものノリじゃまずいよな。。。」

と思って、急いで真面目な、堅めなプレゼン資料を準備した。文字ばっかりでロジカルなやつ。

残念ながら、最後に時間切れになってしまい、結局後半はいつもの写真がいっぱいの楽しいプレゼンになってしまった。

しかし!いざプレゼンをしてみると、真面目で堅いプレゼンは、皆さん反応が悪い。居眠りしている人もちらほら。

途中から後半に写り、ドアップの楽しい写真がたくさんあるプレゼンになると、皆さん目を覚まし、笑いも交えながら、楽しく聴いてくださった。

教訓。

年代を問わず、やっぱりプレゼンはビジュアルで楽しいものがいい。

医療戦略セミナー2009年12月10日

HBSに2年間いながら、マイケル・ポーター教授が話しているのをはじめて見たのが昨日、東大キャンパスで開催されたセミナーだったとは、なんとも皮肉。
http://www.k-jpr.com/Japanese/Activities/News/2009/091209.pdf

シャープで落ち着いたイメージを勝手に持っていたので、かなり情熱的で、身振り手振り交えて話し、必ずしも言葉数が少なくないところが意外だった。

近著「医療戦略の本質」(http://www.amazon.co.jp/dp/4822261204)は、疲弊する米国医療システムについて、戦略論的なフレームワークを用いて鋭い分析をなし、処方箋まで提案する力作。

この中では、重要なプレイヤーとしての保険者(=保険会社)にも一章が割かれている。これに対してわが国では、保険者=各種健保組合。保険会社は医療システムの議論のカヤの外に置かれている。同書を読みながら、我々保険会社が医療システムの中でどのような役割を果たすべきか、考えさせられた。

セミナーでは、本書で指摘している「医療コストを削減するためには、医療行為の質を高めることが必須である(早く患者が健康になることが最善のコスト削減策)」ということで、患者の健康から見た医療の質を高めることにフォーカスする必要性を説明し、中でも「事後検証できるように、効果を測定すること」の重要性を説明していた。

そのあとになされた東大の永井教授のお話では、「医療費を増やしても、医師の数を増やしても、本質的な問題が解決するわけではない」という指摘が非常に納得できるものだった。構造的な課題を解決するよう、全体のシステムデザインを最適化しない限り、根本的な解決にはならないわけですね。

新しい医療保険のあるべき姿についても、実に示唆に富む二時間の講演会だった。

年末は講演会尽くし2009年12月14日

先週の木曜はマザーハウスの山口・山崎コンビと、マネックス内藤さんと4人でパネルディスカッション。400名近い方が参加され(8割は山口ファン)、熱気溢れるなか、濃密な2時間となりました。その後の書籍販売でも飛ぶように売れ、サイン会で1時間くらいやってました。

今日もこれから、内藤さんと一緒に講演会。これで内藤さんとは、1カ月以内に3回目です。非常に相性がいいので、来年もどんどん一緒にやっていきたいと考えているところ。

そして、水曜日は、池田信夫さん主催のアゴラ起業塾で講演。こちらはいつもよりも細かく、起業ストーリーをお話する予定。

そして金曜日は、会社の忘年会。出し物のために、猛特訓中。というのは、冗談ですが。

去年は玉砕した「アクチュアリー試験」、今年も2科目だけ、25日と28日に受験予定なので、気が気じゃないのですよ。勉強する時間が足りない!ちゃっかり勉強法の本を出している身としては肩身が狭いですが、なかなか試験勉強、進まないものですよね。

怖そうな人ほど、優しい。2009年12月17日

はじめて山崎元さんにお会いしたときの印象。

「とっても気さくで、いい人だなぁ」

お会いする前は、ブログや記事で、ばっさばっさと辛らつに世の中を斬っていくイメージがあったので緊張していたが、実際にお会いしたらすぐに打ち解け、2時間近く話込んだ。その後も、ライフネットを様々な形で応援してくださっている。

はじめて小飼弾さんにお会いしたときの印象。

甘いブログ記事を書いたところ、ばっさり切られてしまい、ドキドキしたが、共通の友人に紹介をお願いして、お会いした。

すっごく優しくていい人だった。

そして、昨晩。池田信夫さんの「アゴラ起業塾」で講演。

行く前は、久々に緊張してしまいましたよ。

実際にお会いした池田さんは、、、シャイな感じで、誠実そうな、優しい方でした。

【結論】ブログでコワソウな人は、実際に会うと心優しい人が多い。

やりきる力2009年12月21日

先週の金曜は、会社の忘年会だった。

当社の忘年会の特徴として、「出し物」のレベルが非常に高いことがある。

もともとは二年前にはじめたのだが、昨年はマーケティング部、システム部がそれぞれ完成度の高い出し物を準備し、当社のクリエイティビティの高さを知らしめるとともに、社員の結束を高めるために大いに貢献した。

こういう、一見するとお遊びのようなものでも、一切手を抜かず、細部にまでこだわった上で皆をうならせる作品を作る、「やりきる力」というのは企業にとって大切なものである。

それを教わったのは、留学が一緒だった総合商社のNからだった。彼はジャパン・トリップで140名を超える外国人のクラスメイトに見せるための宴会芸を、台本を練りに練って完成させ、かつ当日の朝まで徹底した練習を行った。

彼に教わった。これは、仕事と同じなんだ。芸を甘くみる人に、こだわりのある仕事ができるか、と(多少大げさだが)。

今年の忘年会はというと、システム部が大変忙しくしているため、参加不可。変わって、「岩瀬君、僕らで漫才でもやらない」と言ってきた社長の出口を主演男優、取締役の中田を主演女優としたショートフィルムを製作した。

二人とも、外国人の俳優になりきって、見事な演技を見せてくれた(注:撮影時間は土曜午前の2時間、編集は平日深夜の3時間)。

これに対してマーケティング部も、社内の才能あふれるミュージシャンを動員し、スタジオにこもって、一本のイメージビデオを制作した。足元から上に迫り、主役の正体が明かされると、「あの人があの役を・・・」と驚愕させた。

「岩瀬さんは芸をやらなかったんですか?」ともよく聞かれるのだが、僕は今回は企画・製作の裏方に回った。いかにもやりたそうな人がやっても面白くなく、「こういうちょっと恥ずかしいことをやらなそうな人」に全力で演じきってもらうことに、この手の芸の面白さがあるのでは。

今年は、本当にいい一年だった。そして、来年もまた頑張ろう。経営陣がここまでやってくれるんだから。多くの社員の多くがそう思ってもらえた忘年会になったといいな。

試験勉強2009年12月24日

無謀にも、アクチュアリー試験へ二年目の挑戦。

今年は二科目だけ受けるのだが、試験日が明日25日と28日。

今年は偉そうに勉強に関する本を出してみたのだが、当の本人が試験に合格できそうにない・・・

いくつか分かりやすいところで反省をすると
・ 十分な時間を取れていない
 ⇒ 社会人の勉強にとってはこれが最大の課題か。どうやって十分な時間を取れるような仕掛けを作るか。4月から他の社員を巻き込んで勉強会をセットしようとしたが、自分がシニアなポジションにある組織だと、自分がさぼるリスクを回避できない。

・ きちんとノートを作る
 ⇒ 試験対策の参考書などがほぼ存在しない試験。自分で色ペンなどを使って、過去問や練習問題を集めたきれいなノートを作っておけばよかった・・・と、試験一週間前に赤ペンを使いはじめて後悔。

・ 大人買い=可能な限りお金で解決する
 ⇒ 教科書や書籍をおしみなく買う。いい家庭教師をつける。まだまだ、できることはあったか・・・

というわけで、明日の午後に生保数理の試験を受けてきます!去年に続いて二年目。どうなることやら・・・発表は2月16日とのこと。受かってたら報告しますので、そっとしておいてください。