やりきる力2009年12月21日

先週の金曜は、会社の忘年会だった。

当社の忘年会の特徴として、「出し物」のレベルが非常に高いことがある。

もともとは二年前にはじめたのだが、昨年はマーケティング部、システム部がそれぞれ完成度の高い出し物を準備し、当社のクリエイティビティの高さを知らしめるとともに、社員の結束を高めるために大いに貢献した。

こういう、一見するとお遊びのようなものでも、一切手を抜かず、細部にまでこだわった上で皆をうならせる作品を作る、「やりきる力」というのは企業にとって大切なものである。

それを教わったのは、留学が一緒だった総合商社のNからだった。彼はジャパン・トリップで140名を超える外国人のクラスメイトに見せるための宴会芸を、台本を練りに練って完成させ、かつ当日の朝まで徹底した練習を行った。

彼に教わった。これは、仕事と同じなんだ。芸を甘くみる人に、こだわりのある仕事ができるか、と(多少大げさだが)。

今年の忘年会はというと、システム部が大変忙しくしているため、参加不可。変わって、「岩瀬君、僕らで漫才でもやらない」と言ってきた社長の出口を主演男優、取締役の中田を主演女優としたショートフィルムを製作した。

二人とも、外国人の俳優になりきって、見事な演技を見せてくれた(注:撮影時間は土曜午前の2時間、編集は平日深夜の3時間)。

これに対してマーケティング部も、社内の才能あふれるミュージシャンを動員し、スタジオにこもって、一本のイメージビデオを制作した。足元から上に迫り、主役の正体が明かされると、「あの人があの役を・・・」と驚愕させた。

「岩瀬さんは芸をやらなかったんですか?」ともよく聞かれるのだが、僕は今回は企画・製作の裏方に回った。いかにもやりたそうな人がやっても面白くなく、「こういうちょっと恥ずかしいことをやらなそうな人」に全力で演じきってもらうことに、この手の芸の面白さがあるのでは。

今年は、本当にいい一年だった。そして、来年もまた頑張ろう。経営陣がここまでやってくれるんだから。多くの社員の多くがそう思ってもらえた忘年会になったといいな。