ネット生保、3つの誤解2010年01月20日

格調高い業界誌、「インシュアランス」のトップページに以下の文章を寄稿しました。字数が少ないので、やや舌足らずですが、業界の方からよく聞かれる疑問に答えたつもりです。なんでも「3つ」にまとめてしまうところが、コンサル育ちの宿命・・・

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ネット生保、3つの誤解

 インターネットを主たる販売チャネルとする「ネット生保」が開業してから1年半。「生保は対面でないと売れない」という通説に反し、これまで都市部に住む20-30代のお客様を中心に契約件数を伸ばしてきました。現時点で当社の認知度は5%強ですので、今後も知名度が向上していくことで、契約件数が大きく伸びていくと考えています。

 ネット生保に関する関心は高まっているようですが、意外と理解されていない点が3つあります。

 まず、申込時の告知。お客様にはウェブの申込画面上で医的な質問に答えて頂き、必要があれば追加質問をメールでやり取りし、健康診断書等のコピーを郵送でお送り頂いています。電子メールを通じたお客様とのやり取りは迅速であり、同時に多くのご契約者様について詳細な健康情報を多く得られていると感じています。

  次に、代理店。当社はウェブ系代理店15社と保険代理店契約を結んでいますが、依然として代理店を介さずに当社のウェブサイトに直接来られるお客様がほとんどです。「ネットを活用することで生命保険の高い流通コストを下げる」ことが当社の目標の1つですから、代理店様との協業も従来とは違った発想で考える必要があります。

 最後に、デジタルではない「人対人」のやり取り。平日は22時まで運営しているコンタクトセンターには電話やメール経由で質問が寄せられており、中には既加入契約の見直しに関する相談も多く含まれます。当社に来社され、コンサルティングを受けられるお客様もいらっしゃいます。
非対面の販売というと一人ひとりのお客様との関係が希薄になるように思われがちですが、営業職員や支社を介さずに、直接お客様と、電話や電子メールを通じてリアルタイムにやり取りができていると感じています。

 ネットは目的ではなく、あくまでお客様の利便性を向上させるための手段に過ぎません。私たちの目標はネット通販の格安保険会社を作ることではなく、今という時代に合った、お客様が望む形の生命保険会社を創ることです。

コメント

_ CO2O代表  ― 2010年01月21日 01:42

岩瀬様
本日はBBTでのセミナー、本当にありがとうございました。
情熱と理性のバランスを感じずにはいられないお人柄と話の内容に皆、感銘を受けておりました。
数多くの質問にも一つ一つ真摯にお答えいただきありがとうございます。 取り急ぎ御礼とさせていただきます。

_ 場違いですいません ― 2010年01月21日 02:14

お疲れ様です。

思うに、ネットかリアルかを問わず、保障機能を契約するにあたっての一番の問題点は、契約者が本当のニーズを突き詰めずに契約してしまい、実際の支払い事象が発生したときに愕然としてしまう(保険金が全然足らなかった)ということだと思ってます。
某外資の教育担当者が御社サイトで見積もりを触ったところ「これじゃ契約者が一人で本当に必要な保険金額を見つけ出せない」と言ってました。もちろん特殊論です。

御社は”安かろう悪かろう”は目指していないと思われますから、最低限の保険金とは、万一の保険金支払いの際に、残された家族を守れる額、特に子供が大学を出るまで守れることにあると思います。
保険金だけではやっていけなくて、母親がパートに出るしかなくて、それじゃ帰宅後の子供にとって”両親”がいなくなってしまうことと同じですよね。そんな子供を作ってしまう契約はおかしいですよね。

御社には勝手ながら、天使ガブリエルのように破壊と創造を行って欲しいと期待しています。だからこそ見積もりの質問事項をもっと詳細に詰めてほしい、そのように切望します。

_ tsuka ― 2010年01月21日 16:26

「代理店と契約をしていても代理店を介さずにウェブサイトに直接来るお客がほとんど」という点が興味深いです。これは、新しい生保の入り方を示唆しているのではないでしょうか?

家電製品を買う時に、量販店に行って店員から色々説明を聞いた後で、家に帰ってからネットで最安の物を見つけて買う人は多いと思います。これを生保の購入にも応用している人はいるのではないでしょうか?つまり、家電量販店を生保の代理店に置き換えるのです。生保みたいに一般にわかりにくい商品であれば、わからないことはネットで調べるより、直接人から聞きたいものです。ここで代理店を利用します。他社商品との比較説明を受けるには、1社専属の外交員よりも代理店の方が良いでしょう。 そして説明を受けた後で、自分の希望する保障内容で最安の商品をネットで探して購入する。

このような買い方が浸透した時に、生保商品に大きな値下げ圧力が生まれ、ひいては生保商品のコモディティ化が始まるのではないでしょうか?

_ 目白寮生 ― 2010年01月21日 19:20

「ネットを活用することで生命保険の高い流通コストを下げる」
という御社の目標、同業者の目線として素晴らしいと思います。

同じ業界にいると、一般の方には見えないコストに
違和感を感じる事が多々あります。

普通の社会でしたら背任行為かもしれませんが、
場合によっては、自分の会社の商品より優先して
御社の商品を案内することもあります。

偏見と問題の多いこの業界に、
より大きな風穴を空けていただくべく
今後も岩瀬様および御社の活躍を
祈念しております。

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