入谷のおうどん食べましょう2009年05月29日

岩瀬さん

こんにちは。

そしたら14時からお昼を食べながらで、よろしいでしょうか。

入谷という辺鄙なところなのですが、日比谷線で上野から1駅です。駅についたら教えて下さい。

入谷のおうどん食べましょう。



祖父母のお墓がある三ノ輪の一つ手前の駅が入谷。この日は別のランチの約束があったのですが、この魅惑的なお誘いを断れるはずがなく、早めのお昼を一回したのち、入谷で二度目のランチ、おうどん食べてきた。

駅を出て上にあがると、交差点の反対側にその方が、テレビやウェブで見るのと同じ、底抜けに明るい笑顔で出迎えてくれた。

もうちょっとボーイッシュなイメージを持っていたのだが、小さく華奢で、ひらひらのお洒落なスカートをはいていて、ナチュラルな雰囲気の素敵な女性だった。

おうどんを食べながら主に話をしてくれたのは、この人の右腕である、名門投資銀行を飛び出して彼女を支えることをライフワークとしている、頭の回転は速いが、同時に暖かい人柄と情熱を感じる方だった。

二人を見ていて、本田宗一郎と藤沢武夫、盛田昭夫と井深大のように、突き抜けた天才カリスマと、それを支える手堅い実務家の布陣がすでに敷かれているのだな、と思った。

ご飯を食べながらの話は、彼らが思い描くビジョンとこれまでの展開、彼女の海外でのちょっとドジな武勇伝。あとは、僕が米国で見てきた社会起業家と日本での展開について考えていることをお伝えする。

一応、ライフネット生命と僕のことは少し前から知っていてくれたらしい。とっても光栄で、純粋に嬉しい。こちらもすっかりミーハーです。「ブログ、たまに見てますよー。キャラが出てて面白いですよねー」

せっかくなので、オフィスとお店を見学させて頂くことに。並んで歩いていると、彼女が話かけてくる。

「岩瀬さんは、講演とかたくさんしてますよね。好きですか?」

「え?(大好きとかいうのカッコ悪い・・・)ほら、うちの場合は知名度が全然ないので、とにかくいまは一人でも多くの方に知ってもらうための営業活動が、僕の最優先の仕事だと考えてます。・・・(小さい声で)もちろん、嫌いじゃないですが・・・あまり好きじゃないんですか?」

「いろいろな機会を頂くのは嬉しいんですが、私はバッグのデザイナーなので、限られた時間のなかで、できるだけバッグを作ってたいんです」

オフィスに着くと、外には看板も案内も何もなく、小さなスペースに、出版社の編集デスクのような騒然とした感じ。でも、エネルギーがみなぎってる。副社長の席だけ、投資銀行出身らしく、PCのモニタが二つある。本当は四つ欲しかったんだって。

この小さな空間で、世の中の人々を感動させ、確かに世界を変えつつあるひとつのビジネスが生み出されている、ということに感銘を受ける。

明日からまた数カ月海外に、しかもとてつもなく大変な大仕事をする直前だというのに、余り長居するのも悪いので、そろそろ失礼しようと、駅への戻り方を聞く。

「あ、駅まで送ってきますよー。途中にお店があるから、よかったら見てください」

自分たちがすべて手作りで作り上げたという小さなカワイイお店。商品を実際に手にとってみると、お洒落なだけでなく、かなりしっかりした作り。お情けで買ってもらうのではなく、純粋に競争力ある商品として買ってもらう、そして寄付を仰ぐのではなく、ビジネスとして自立できるものを創る。

普通に素敵だったので、ひとつお買い上げ。包装と、「カードはサインにしますか、それとも暗証番号にしますか」なんてお会計までご本人にやってもらっちゃった。

駅への帰り道。

「柔道、まだやってるんですか」

「やってますよー。こないだ、現地で金メダル取ったんです!といっても、向こうは警察と軍の人しかやってないんですが」

たくましいなぁ・・・こんな華奢な体で、バングラデッシュの軍人と、柔道やってるんだ。

「岩瀬さん、いつかぜったい、コラボしましょうね!何か一緒にできますよ!」

とてつもなく大きなことに取り組んでいる、5歳も年齢が下の、華奢な女性が放つとてつもないオーラとどんな困難をもふっ飛ばしそうな素敵な笑顔に、胸がずっとキュンとしてた1時間ちょっとでした。

日比谷線に乗ってオフィスに戻ったら、メールが届いていた。



なんとなく将来色々と一緒に何かをやるだろうなぁと思っているし、
私としても頑張っている岩瀬さんを目標に頑張りたいと思っています!

明日からネパールで工場立ち上げ、憂鬱な反面気合いっぱいです、
なんとか結果を残してきたいと思います。
岩瀬さんも毎日のお仕事是非楽しんでください!



またまた胸をズドンと打ち抜かれました。いつかきっと、社会を少しでも変えるような仕事を、ご一緒できたらいいなぁ。思い出に残る時間でした。

よい週末をお過ごしください!