目利き2009年06月01日

自慢ではないが、私は新しいサービスが流行るかどうかを見極める「目利き」の能力は長けていない。すぐ理屈っぽく考えてしまい、もっと生のユーザーの感性などにまでなかなか配慮がいかない。

たとえば、友人の保田隆明氏が「米国で流行ってるFriendsterのようなSNSを日本で立ち上げる」とはじめて聞いたとき、「どうやって収入を得るのか、ビジネスモデルが見えない」という理由で反対した。その後のmixi, gree の成長たるや!

また、最近では、当社お客様サービス部 古川がMSNに連載しているコラム。「実は数‰(パーミル)しかない死亡率」というタイトルの記事について事前に感想を求められたが、「うーん、もっと、古川さんにしか書けない内容の方がいいんじゃないですかぁ」と婉曲的に「いまいち?」というコメントをした。
http://money.jp.msn.com/insure/columns/columnarticle.aspx?ac=fp2009052600&cc=06&nt=06

ふたを開けてみたらこのコラムが大好評。前例のないくらい「評価数」と「ポイント」を頂いたそうで、編集部から感謝メールまで届いた。やったな古川。そして、ダメだした自分って・・・社内の企画についてはもう「それは世間にウケルかどうか」という点についてはコメントしないことにしました。
http://money.jp.msn.com/topratedarticles.aspx

そんななか(?)、私たちライフネット生命が満を持してスタートする、新たなモバイル生保サービス。現場の皆の感性に任せて、作ってもらいました!
http://mobile.lifenet-seimei.co.jp/

これと同時に、赤ちゃん本舗会員向けにマネー冊子の配布をはじめました。ゆっくりPCを立ち上げる時間もないママたちに、便利で簡単な新しい保険加入のきっかけを。これから、どんどん広げていきたいと思います。
http://www.lifenet-seimei.co.jp/newsrelease/2009/1770.html

皆さんもよかったら、モバイル生保を試してみてください!ケータイから「ライフネット生命」で検索を。

朝から目が冴える2009年06月02日

「仕事に効く朝の習慣作り」という特集インタビューでは「朝7時半からブレックファーストミーティングをバリバリやってます!」とお答えしたのですが、年が明けてから家庭の事情で(毎朝、子ども二人を自転車に乗せて保育園に連れて行ってる)、朝はなかなか予定を入れられずにいた。


今日は留学時代のアイルランド人の友人が来日しているというので、久しぶりに某ホテルにてブレックファースト。ここは少し前までは金融関係者やガイジンで朝は賑わっていたのだが、金融危機後はびっくりするくらい静かになっていた。景気の先行(後追い)指標のようなものか。


今日は意外と人が入ってたような気がしたので、少しは活動が戻りつつあるのだろうか。ここに来るといつも知り合いに会うのだが、今日も二人いた。一人は、大蔵省からMBA留学を経て投資銀行に転職し、今は老舗買収ファンドにいるF氏。もう一人は、ダンディーなビジネススクール教授、T氏。F氏は先週ウォール街から帰国したばかりなので、立ち話程度だが現地の様子を話してくれた。


客がそこそこ入ってたといったが、よく考えてみたら全部で8組くらいで、そのうち3組が我々なので、金融機関の行動活発化もまだまだ先、ということでしょうか。久々の友人の再会で朝から1時間しゃべりっぱなし。会社に着いた頃には頭がばっちり冴えていました!ブレックファーストミーティング、なかなかお勧めですよ。


リニューアル2009年06月03日

マンションの水道を数10年ぶりに工事して、ポンプ式から直結直圧式に変わった。いままでちょろちょろしか出なかったシャワーの水の水圧が一気に強くなり、とても快適。毎日毎日のシャワー生活がまるで変わった。

ひげ剃りも5年前にアメリカで買ったものを、歯を入れ替えて使っていたのだが、いまひとつそり心地がよくない。朝いちばんなのに、なんかひげが残ってしまう。まぁ5年も使ったことだしということで、カカクコムで調べて、最新の機種に買い替えた。すると、まるでコマーシャルのように、きれいにそれるわそれるわ。何でもっと早く変えなかったのか、後悔すらした。

いずれも、「たいして変わらないだろう」と期待していなかったので、新しいものに変えることでこんなに便利に違うことを思い知った。昔からのものを大切に使い続けることも大切ですが、上手に最新のものに乗り換えることで、生活をより快適なものにしたいものだ。

生命保険も、ね。

健全で生産的な議論ができない社会(コミュニティ)は廃れる2009年06月04日

「日本のWebは残念」だ発言への反応について。
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0906/01/news045.html

Web の中での(社会全体から見るとほんの一部の人たちだが)ヒステリックな反応を見ると、情けない。

少し前に、「はてなーの健全な批判精神が日本のメディアを変える」というエントリーを書いたのだが、真正面から否定されたような気分。
http://totodaisuke.weblogs.jp/blog/2009/03/post-7884.html

たとえば、

「いいじゃん、おれたちのネットの使い方だって立派だぜ!」 とか
「こういう使い方こそ、日本ならではで、ネットの威力を最大限に活用してるぜ!」 とか
「確かに今ではネットの可能性を十分に活かしきっていないかも知れないが、俺たちはこれからじっくりやっていくぜ!」

などと反論するのは分かるのだが(実際、そういうコメントをしている人もいる)、多くの人が鬼の首を取ったように

「お前こそ残念だ」 とか
「おたくの会社だってうまくいってないじゃん」 とか
「エリートばかりを見てる」 とか

言っている。それって、自分たちの憂さ晴らしになるかもしれないが(そんなんでなるの?)、それ以上には何も生まれない。

ここまでむきになって反応するのは、日本を代表するネットユーザー層である自分たちのネットの使い方、すなわち日々の過ごし方を否定された気持ちになったからなのだろうか。

もとのコメントは別に、皆さんを批判してるわけじゃないでしょう。ネットの可能性はもっと開かれている、って言っているのではないか。もう終わり、と言っているわけではなく、一つの視点を提示し、問題提起をしているのではないか。

自分たちとは違うところにいて、違う世界の見え方をしている人の意見を建設的に受け入れて、健全で発展的な議論ができない社会は、必ず廃れていく。せっかくネットという大きな武器を手にしたのだから、自分たちができる範囲で、前向きな議論をしていくことから、やっていこうよ。

せっかく皆さんに一目おきはじめていたエスタブリッシュメントの方々も、今回の炎上を見て、「やっぱりな」と、ほくそ笑んでますよ。

昭和50年代生まれの男子が懐かしく感じるもの2009年06月05日

ここのところライフネットの調査PRは絶好調。今回の記事も、すでに2ちゃんで1万2千以上書き込みを誘発したそうだ。http://bizmakoto.jp/makoto/articles/0906/04/news044.html

昭和51年3月生まれの僕が懐かしく感じるものは、、、

・ キャプテン翼(ファミコンゲームも。くっ、ガッツが足りない・・・)
・ 聖闘士星矢(お姉ちゃんが大好きだった・・・)
・ 男おいどん(ラーメンライス)
・ ダンス甲子園(えるえるぶらざーず)
・ ドラクエ2、3
・ Wink(売れる前に弟が発掘)
・ 中森明菜(はじめて買ったCD)
・ 氷室京介、吉川晃司(未だにカラオケはこれ)
・ スケボー(小6のとき流行ってた)

オチはありませんが、皆で懐かしく思い出してください!

ではよい週末を。

マーケティング2.02009年06月08日

我らがライフネット生命では、「ウェブらしさ」を活かしたマーケティング手法を、いろいろと研究しています。


そして、当社の強みは、「ライフネットがんばれ!」と言って下さる「応援団」が多いこと。この皆さんの応援をなんとかウェブらしさを活かして強みにできないか、ということで、新たな試みをひとつはじめます。


それが、「応援ブログパーツ」!貼ってくださった皆さんのブログと応援メッセージが一覧に(ランダムに)表示されます。


これをクリックすると、自分以外のライフネット応援団のブログに飛びます。これを繰り返しクリックしていくことで、ライフネットの「輪」が広がっていること、そしてそれが確実に繋がっていることを体感できると思います。


狙いは、

  • 広告費をできるだけ抑えて、多くのひとに知ってもらいたい
  • 単純にバナーを貼るだとブログの運営者にメリットが小さいので、貼ることによって読者が増えるかもと期待させ、より貼ってもらいやすくする
  • ブログパーツを貼ってくれた人をサイト上で紹介したい(神社が寄付してくれた人の名前を柱に彫るような感じ)
  • 応援してくれる人が書いているメッセージや、ブログを読むことで、じぶんに近い人がライフネット生命を応援したり、加入していることに共感できる

というものです。

これまでご賛同頂いている方は、以下の通り:

皆さんもぜひ、「応援ブログパーツ」(何かいい呼び名はないですかねぇ・・・)をブログのサイドバーに貼り、ライフネットの輪を世の中に広めてください!よろしくお願いします。

恋する文楽2009年06月09日

今日は文楽好きな経済記者の方とランチ。「岩瀬は文楽好きらしい」ということを聞いて、お声掛け頂いた。金融の話をたくさんしたあとに、文楽の話で盛り上がれるなんて、一石二鳥。


私にとって、文楽入門の手引となったのが、「恋する文楽」。 はじめて読んだのはおそらく10年近く前なのだが、この本を読んで文楽への憧れの気持ちが増したし、著者の広谷鏡子さんも素敵な方だな、いつかお会いできたらいいな、とひそかに思ってた。


去年、その思いがかなった。朝日Beに掲載された際に、「趣味はジャズと文楽」と大きく見出しに出たのが広谷さんの目に止まり、共通の知人を介してご連絡を頂くこととなった。以後、文楽鑑賞の際には、広谷組の一味に加えて頂いている。


その広谷さんとの思い出に残る会話。


「岩瀬君。本当に会いたい人がいたら、会いたい、会いたい、と色々な人にいいふらしなさい。そうすれば、いつかきっとどこかで縁ができて、会えるから。


私はレスリー・チャンの大ファンで、会いたい、会いたい、と周囲にいいまくっていたら、3回会うことができた。いまはサッカーのラウールに会いたい、会いたい、とあちこちでいいふらしている。先日行ったスペイン料理屋の主人から、いつか紹介できるかも、と言われた」


「そうですかぁ。じゃぁ、僕も言いまくるようにします。僕が会いたいのは・・・」


「会いたいのは?」


「ええ、でもなんかはずかしー」


「だれ。言ってみて」


「西田ひかる・・・」


「・・・」


ちなみに、石田ゆり子さんも、好きです。いつからか、ばったりテレビを見なくなったので、最近の女優さんとか、あまり知らないのですよ。

保険募集に関する論点2009年06月10日

2009年6月3日、金融審議会の保険ワーキンググループが「中間論点整理(案)」を取りまとめた。


個別論点としては①情報提供義務、②適合性原則、③募集文書、④広告規制、⑤募集主体、⑥募集コスト開示、⑦募集人の資質向上、⑧保険金支払、⑨商品のあり方、⑩保険料積立金等の支払 が掲げられているが、ほとんどのポイントが「保険商品に関する情報提供のあり方」に収れんされると思った。


つまり、多くの人が

(i) 生命保険の基本的な仕組みを理解し(公的保険と民間保険のすみわけ、貯蓄と保険のバランス、保険料と保障範囲のトレードオフ、どういう場合には支払われないかなど)

(ii) 自分にとって必要な保障を大まかに捉え(死亡保障、医療保障、老後保障をそれぞれどの程度確保するか)

(iii) その保障を確保するために自分にとってベストな保険会社(手厚いサービス+高保険料 か さっぱりサービス+低保険料)を選びやすい環境が整備されていれば、


多くの問題は解決されるわけだが、その多くは「クレディブルな(信用できる)主体によるフェアな情報提供」によって解決されるはずだ。


例えば、生命保険文化センターが出している「ほけんのキホン」という冊子は、生命保険の基本的な仕組みを理解するためには恰好の素材であり、すべての保険会社に対して募集時の事前交付を義務付けるべきとも考えられる。


また、医療保険については公的保障と民間保険とのすみわけについてもっと説明を義務付けるべきだし、貯蓄と保険のバランスについても説明する必要がある(現状の短期入院の保険であれば、「貯蓄が十分あれば不要」という考えも十分になりたつ)。


そして、必要な保障についてある程度の理解が得られたら、あとは複数の保険会社を比較して、自分にとってどこがベストか、つまり各社の商品サービスがどのようなメリット・デメリットがあるのかを判断するためにも、たとえば私が尊敬するベンチャー経営者のひとりである浜田佳治氏率いるアドバンスクリエイト社が運営する保険市場は、保険会社や販売側の論理ではなく、もっぱら消費者の立場に立った保険選びを実現しようとするための素晴らしいプラットフォームを提供しているし、当社が進めようとする募集コストの開示もまた非常に有用になるはずである。


なんていう原稿を書いているので、頭の整理のためにブログにまとめてみました。


社会を変えるには2009年06月11日

医療政策国民フォーラムの第二回検討会に参加してきた。そうそうたるメンバーに囲まれ、自分だけがまったくのド・素人のため、とっても場違いな感じがして、珍しく緊張して大人しくしていた。内弁慶な私。


今回は各政党に選挙前に提示すべきマニフェストを取りまとめようというとこで、皆さんで議論をした。議論を黙って聞きながら、「どうやって社会に変革を起こすか」ということについて、考えさせられた。


メンバーのほとんどの方が、「本当に大切なこと」が何かを求めて議論しているように感じた。しかし、「何度も日本の医療政策のあるべき姿については議論がなされており、答えは10年前から分かってるんだ。いろいろな形で提言をしているが、政治が実行してくれない」という声があったように、何が「正解」かは、皆が分かっているのであり、難しいのは答えを出すことではない。むしろ大切なのは、どのようにして少しでもいいから実行し、一歩でもいいから前に進めるかという現実的なアクションプランなのではないか。


自分も以前だったら、コンサル的に全体像をきっちり描いて、理想的な絵柄を整理して、抜本的な制度改革を求めたことだろう。でも、今は違う。どれだけきれいな絵を描いても、結局実行されなかったら、まったく意味がない。そんなことよりも、どんなに小さなことでもいいので、実行可能をやりたいと思うようになった。


政治家の先生が「面白い!」と思ってくれる小ネタで、かつ利害関係者の尻尾を踏むようなものでないものを探して渡してあげて、まずは小さな一歩を歩む。その小さな一歩が次の一歩に続き、それをひたすら繰り返していくことでしか、社会は変わらない、そう思うようになった。


そして、もっといいのは、評論したり提案したりするだけでなく、自分ができることからはじめること。生保を立ち上げて安い商品を作り付加保険料を開示することは、出口なりに自分で実行できることをやったのだろうし、山口絵理子さんも、途上国の援助プログラムを立ち上げることではなく、小さな、小さなビジネスを立ち上げることからはじめている。どんな改革も、ドラスティックなリストラクチャリングではなく、小さな実践の積み重ねでしかないのではないか、そう考えるようになったわけだ。


瞬発力×持続力2009年06月12日

実行力あるビジネスパーソンのエッセンスとはなにか?

僕は、それは 瞬発力×持続力 をチームとして作れることだと思う。

瞬発力とは、何かをやる!と思いきって、情熱をもって決め、それをスタートダッシュで迅速に、皆の気持ちを盛り上げること。

持続力とは、理想像からある程度割り切って現実的に実行可能な形に落とし込み、コツコツ、コツコツ、気が遠くなりそうな、毎日大工さんのような建築プロセスを継続すること。

両方の力はややもすれば相反するものだが、それは必ずしも一人の人間が持っている必要はない。複数の人間で補い合い、チームとして持っていればよいのだ。

僕たちライフネットも、ますますこの「実行力」を高めていきたいものだ。

梅雨っぽくなってきましたが、よい週末をお過ごしください。