事業者の努力義務2009年10月28日

保険会社の情報提供義務について、消費者契約法を一つの軸にして、理論構成を作ることができそう:


【事業者及び消費者の努力】

第3条1項

 事業者は、消費者契約の条項を定めるに当たっては、消費者の権利義務その他の消費者契約の内容が消費者にとって明確かつ平易なものになるよう配慮するとともに、消費者契約の締結について勧誘をするに際しては、消費者の理解を深めるために、消費者の権利義務その他の消費者契約の内容についての必要な情報を提供するよう努めなければならない。

 ここで求められる情報は、「契約の内容についての」「消費者の理解を深めるために」「必要な情報」である。したがって、消費者の理解を深めるための契約内容そのものの情報のみならず、契約内容そのものについて消費者が理解を深めるために必要な情報もここでの情報提供の努力義務の対象となる。

 例えば、契約の対象である当該商品以外の商品との比較情報が、契約の内容となる当該商品につき消費者の理解を深めるのに必要であれば、情報提供につき努力義務の対象となり得る。(略)

 以上、要するに事業者は、契約の締結について勧誘をするに際しては、契約内容について消費者の理解を深めるのに必要な情報であれば、契約内容そのものの情報に限定することなく、幅広い情報を提供するように努めなければならない。

(「消費者契約法」落合誠一著より)

 生命保険契約をきちんと理解するためには、必ずしもその契約に関する詳しい情報を教えてもらっただけでは足りず、そもそもの保険の仕組みだとか、他の商品との大まかな比較(トレードオフ)などを教えてもらえないと、適切な意思決定はできないように思う。


 しかし、業界の人にそういう話をすると、


 「自分たちが取り扱っている商品を超えて情報提供する義務はないのではないか」という。


なんか、おかしいな、でもどうやって理論武装すればいいのか、悩んでいるところでした。


法律家の皆さん、お知恵を貸してください!