雨の日は2009年10月26日

高額療養費制度について書いてみたくなる。

高額療養費制度とは、医療保険における自己負担の月々の上限を定めた制度で、標準的な所得の方であれば、8万円+αですむことになっている。

たとえば1カ月の入院で150万円かかったとすると、自己負担3割は45万円になるが、高額療養費制度が適用されれば約10万円ですむのである。

社会保障国民会議の座長を務めた東大の吉川洋教授は、「私は、日本の医療保険は3割負担ではなく高額療養費制度が担っているとさえ考えている」と語っている
http://hpij.exblog.jp/9985988/)。

この制度に関して理解があるか否かで、将来の医療費負担に関する準備がまるっきり変わってくることになる。

にもかかわらず、制度の認知度は低い。内閣府の調査によると、20~30代では2割前後、40~50代でも3割前後である(http://www5.cao.go.jp/j-j/wp/wp-je09/09f33160.html)。

この認知不足の影響は無視できないほど大きい。日本医療政策機構の調査によると、「医療費に不安」と86%の人が答えている
http://www.healthpolicy-institute.org/ja/report/doc.php?id=192)。

その結果、将来への不安によって消費が抑制される可能性がある(含む、民間医療保険への過剰な加入)。

それでは、このように認知度が低いことの責任は誰にあるのか?言い替えるならば、この制度を認知させるための努力は誰がすべきなのか?

第一義的には、国であることは間違いない。たとえば、健康保険証の裏にでも大きく書くとか、配布時に説明書を配るとか、いろいろとやり方はありそうだが、ひとまずは「安心してください!」的なメッセージがあってもよいのでは。

そして補完的に、医療保険を売っている民間保険会社も説明義務を負うと考える。公的健康保険を補完するものを売っているのだから、前提として公的保険をきちんと説明すべきではないか?
http://www.lifenet-seimei.co.jp/insurance_medical/benefit/index.html

実際には、高額療養費制度を考慮したのちの、「真の自己負担額」をきちんと説明している会社はまだ少ない。自ら都合が悪い情報は伝えないのではなく、きちんと情報を与えた上で、選んでもらえるようにすべきだと考える。

制度が違うが、ドイツでは「公的保険か民間保険か」を選ばなければならないらしく(高額所得者などは手厚い民間保険を選ぶ)、その際にはきちんと公的医療保険の仕組みを説明することが義務付けられている、と聞いています。

mark your calendar2009年10月26日

マザーハウスの山口さんとのトークイベント、12月10日決定しました!

しかも、司会役がマネックス内藤さんで、嬉しい。

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主催:講談社
場所:日経新聞カンファレンスホール(大手町)
http://www.nikkei-hall.com/access/index.html
日時:12月10日(木)18時半受付 19時開場~21時
定員:400名
参加費:5000円
申し込み方法:講談社ホームページ(現在作成中)
テーマ:――講談社新媒体発足記念イベント――
     夢をかなえる働き方
      ~チェンジメーカーたちが語るプレミアムトークセッション~

出演者:山口絵理子氏
     岩瀬大輔氏
     山崎大祐氏
     内藤忍氏(コーディネーター)
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定員は400名+会費5000円なので、おそらく抽選漏れ、ということはないと思います。申込画面は1週間後だそうですが、忘年会などでお忙しい季節、今のうちからスケジュールをブロックしておいて頂ければと思います。

Stay tuned!