生身の人間を直視する2009年09月11日

今年読んでもっとも感銘を受けたビジネス書が2冊ある。

R25の創刊から編集長を4年務めた藤井大輔氏による「R25のつくりかた」と、博報堂出身の編集者である中川淳一郎氏による「ウェブはバカと暇人のもの」である。

「R25のつくりかた」は余りに感動したので、ウェブで長い感想を書かせてもらった。いま読み返しても、読後の興奮が伝わってくる http://totodaisuke.weblogs.jp/blog/2009/03/r25-d4f4.html

このブログ記事をきっかけに、同書にも登場するR25を一番最初に企画し、立ち上げに携わった田端伸太郎さんとも仲良しになるきっかけとなった。

「ウェブは」も自分がなんとなく感じていたことを、説得力をもって、かつ明快に言いきってくれたので、連載中のJキャストの原稿ネタとさせていただいた
http://www.j-cast.com/kaisha/2009/07/22045764.html

感銘を受けた理由はそれぞれの記事で書いたので、ぜひ読んで頂きたいが、あえて2冊に共通するポイントをあげるとするなら、それはマーケティングというややもすれば物事を整理し一般化し、すっきりと理論的に説明してしまいがちな世界において、

「生々しく不合理な、リアルな人間の心理やビヘイビアー(行動様式)を焙り出し、ありのままの姿を直視している点」

だろうか。そしてそれは、自分がもっとも苦手なことでもある(dankogai さんに以前「金融リテラシー」に関するブログエントリーでつっこまれ、新著の書評で指摘頂いた点にも繋がる)。

「M1世代が活字を読んでいないのは、活字が嫌いだからではなく、いまるものがつまらないからですよ。面白いものを作れば、絶対に読んでもらえる」(田端氏)

「M1世代は本当は日経新聞を読めるようになりたいけど、読んでいると見栄を張ってしまい、将来を心配しながら、必死に生き抜こうとしている。そんな彼らを応援する雑誌を作る」(藤井氏)

「ネットで支持を得る企画はキレイなものではなく、身近で突っ込みどころがあったり、エッチ・バカ・安っぽかったりする企画である。これからも影響力を持ち続けるのはテレビ。ネットに過大な期待をするな」(中川氏)

こういった深い人間に関する洞察が、実際に人をアクションに結び付けるマーケティングや商品企画に繋がるのだろう。

昨晩は、なんとも贅沢なことに、田端さんのアレンジで、藤井さんと中川さんと4人で食事をすることに!だって、この3人が集まれば、「編集学校」の講義、2回分を一人で受けているようなもの。超ラッキー。
http://www.freedom-univ.com/lecture/detail75.html

いつもは誰とご飯食べたなどブログで書かないようにしているのですが、さすがに一人のファンとしては、ご本人たちにお会いしたミーハー魂を隠しきれず、お許しください(ご本人たちも了承済み)。

30代半ばで年齢がとても近いということで、台湾鍋をつつきながら大盛り上がり。ライフネットのことを多少なりとも注目して下さっていたことも、嬉しかった。

お二人とも、「いやー、本には本当のことの半分くらいしかかけていませんよ」と聞いてびっくり。あれで半分なら、リアルなドラマはどんだけ面白いんだろう。

そして、このメンバーのお力を借りれば、ライフネット@認知度6% をもっと多くの方に知ってもらえるはずだ!今後はお仕事でのかかわりも深く持っていきたいなと思った次第。

というわけで、幸せな気分で金曜の朝を迎えています。皆さんも、よい週末をお過ごしください。