百年たっても後悔しない仕事のやり方2011年05月11日

社長の出口が3月(10日!)に出していた「百 年たっても後悔しない仕事のやり方
を遅ればせながら読むことができた。

印象に残った下りをいくつか紹介。

【古典から人生を学ぶ】

「中学生から高校生の始めの頃からでしょうか。私は多くの英雄や先人たちの自叙伝や伝記を読むたび、次のように考えるようになっていました。人間の一生は人智を越えた何か大きな力によって動かされているのではないだろうか。あたかも悠々と流れる大地に浮かぶように。」(p.6)

「『人間は巨人の肩に乗っているから、遠くを見ることができる』という、フランスの古い言葉があります。初見は12世紀のシャルトルのベルナールの著書に あるそうです。私はこの言葉の standing on the shoulders of giants というフレイズが好きです。この巨人とは何を指しているかというと、一般には古典の著者のことですが、私は教養そのものの擬人化された表現であると解釈し ています。私流に表現すれば、前述のように、『人間がどのように生きて、苦労して、バカなことをやり、社会を作ってきたか』そういうことをきちんと知って いる巨人なのです。人間がいつも彼の肩に乗っていれば、ということはすなわち、歴史の中で時代や社会の変化に翻弄されながら生き変わり死に変わりしていく 人間について学んで、そこから人が生きていくことの知恵を習得していれば、自分の短い一生での浮き沈みに簡単に負けることはない、ちゃんと遠くを(自分の 明日を)見る元気もついてくる、という意味だと、私は考えています。」(p.179-180)

【常識を疑う、なぜ?を考える】


「幼稚園の頃、私はなぜ太陽は落ちてこないのだろうと思いました。あんなに大きくて重そうなのに。『きっと誰かが、とても大きな人が、紐で吊っているんだ ろうな。でも紐も見えないな。なぜだろうな』。いつも空を見上げて立ち止まってしまうのでした。」(p.103)

【出会いを広げる】


「[初めての海外赴任にあたって]私が決めたルールは次の三つでした。
 ① 誘われたらどこにでも行くこと。
 ② パーティでは知人がいなくても最後まで会場に残ること。
 ③ 面会やさまざまな招待状は、内容を問わず先着順に受けること。ただし先約が日本関係のもので後から英国や諸外国のアポイントメントが入ったら、後者 を優先すること。」(p.84)

【チームの作り方】

「私は仕事のチーム(組織)は石垣と似ていると思っています。
 機械で切り出されて、一定の形になった石材を組み合わせて作られる現代の石垣は、見た目には整然としていますが、もろいものです。それは、管理職が自分 好みに人を集めたチームと似ています。金太郎飴みたいに同様な顔立ちばかりになりがちです。
 古い戦国時代に築かれた不揃いな角の多い大小の石を組み合わせた石垣には、整然とした統一美はありません。けれど多彩な石の面が見て楽しく、しかも風雪 に耐えて堅牢です。その理由は三角や四角などの角が尖った石を、たくみに組み合わせてあるからです。このような石垣の形が、求められる理想のチームの形だ と思います。」(p.163)

【組織の運営】

「働き蟻の集団では、20%が働いており、20%はまったく働いておらず、60%は働いていたり働いていなかったり、なのだそうです。そして、働いている20%の蟻を集団から除去してしまうと、残りの80%の中から、また20%の働くグループが誕生し、全体が再編成されて元の比率に戻るのだそうです。人間の作る組織でも、なんとなくありそうに思えます。」(p.36)

「もし仕事でマズイコトが起きてしまったら、失敗したと思ったら、自分で抱え込んでいても気が重くなるだけだ。だから大きな声で言いまくれ。『たいへんです。どうしましょう』と。周囲の仲間に上司に、場合によっては社長の私に。言えば気分も軽くなるだろう。起こってしまったことは仕方がないのだから、みんなで解決すればいいのです。三人寄れば文殊の知恵だから、みんなでうまく解決してしまおう・・・私は、いつもそれがベストであると考えています。
 そして解決をして、お客さまに迷惑をかけずに済んでよかったね、と軽くビールでも飲みながら、ところでなんでこんなことが起こったんだろうと考える、それが建設的であると考えます。ミスを犯してしまった人は自分で反省しています。責任を追及しても仕方がない。むしろなぜミスが起きたのかを考えて、これからの対策を考える。そのことのほうが、よほど生産的であると思います。」(p.68)

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