日本中のハッピーの確率を高める仕事2011年01月21日

「食べログ」はもっともよく使うウェブサービスの一つかもしれない。誰かが日本は「ガラケー、Yahoo!、mixi、楽天」の利用者と、「スマートフォン、Google、Twitter、amazon」の利用者に二極化されていると語っていたが、これに追加するとすれば「ぐるなび」と「食べログ」があろうか。私は間違いなくすべてにおいて後者。

そして、この食べログを立ち上げ村上さんは、75年生まれの同世代。カンファレンスでご一緒してから仲良くなった。お気に入りの隠れ家的なお店に連れて行ったら、一気に点数が高くなっていて困ったこともある。

今朝の朝日新聞「オピニオン」で、村上さんのインタビュー記事が掲載されていた。

「裏路地のおいしいお店ががらがらって、機会のロスじゃないでしょうか。おいしいものは幸せの根源。日本中のハッピーの確率を高める仕組みを作っている、と思っています。」

確かに、食は生きることそのもであり、美味しいものを食べたときは心のそこからハッピーになれる!日本中の人々がハッピーになる確率を高める仕事、いいですね。今日は、何を食べに行こうかな。

契約者が遊びに来る保険会社2011年01月23日

昨日は第10回の「お客様ふれあいフェア」を実施。奥様、お子様連れでお越し頂いたお客様も多く、アットホームな雰囲気であっという間に2時間が過ぎ去った。

2006年夏に出口と二人で準備会社を作った当初から出口は「ネットの会社だからこそ、定期的にお客様に集まってもらってオフ会をやりたい」と話していた。いいアイデアだと思ったが、意外と皆様にわざわざ週末に会社に頂くことは簡単ではないということに気がついた。

例えば証券会社であれば投資に役立つ様々な話を聴きに行くためにセミナーに参加するだろう。これが生命保険会社だと、なかなか週末を半日つぶしてまで出かけて聴きたいような情報はない。もちろん、供給者側としては「ライフプランニングの話をしたらいいのでは」などと考えるわけだが、マネーの話であれば銀行でも証券会社でもよく、わざわざ保険会社に行く必要などないのである。わざわざ足を運んでまで聴きたい話というのは、そうはない。

第一回のお客様イベントは、まだ保有契約が1,000件に満たなかったこともあり、申し込みは数名、それ契約してくれた友人数名に声をかけて、ようやく成立したというものだった。

それが、去年の秋には最多の46名にお越し頂き、今回はustreamでの実況中継を試みたところ来場者に加えて50名近い方々に視聴して頂くことができた。

とある保険代理店の方に、「契約者が遊びに来る保険会社というのは、ライフネット以外には考えられない」といったことを言われたが、きっとそうなのだろう。これからも、色々な工夫をして、契約者の皆さんとの繋がりを強化していきたいと思っていますので、アイデア下さい!もう

フライト4時間遅れ2011年01月24日

今日、成田からチューリッヒに入り、そこから電車で3時間弱のダボス入りなのですが、飛行機が4時間遅れ・・・

パソコンを開いて業務メールを処理したり、メルマガを書いたりしていたら、NHKに勤務する知人に久しぶりに再会。同僚二人とともに、これからダボス特集の取材に向かうとのことだった。

ダボスのセッションは公開しているものが多いと思っていたら、彼女によると、今年は結構クローズドのものが多いらしい。去年は金融危機の後で皆元気がなかったことや、カメラが入っているとなかなか本音が話づらいということなのだろうか。

日本からの参加者は50名近くだが、ほとんどが大企業の社長で、「若手」は僕らヤング・グローバル・リーダーズが5名(藤澤久美さん、オイシックス高島さん、エレファントデザイン西山さん、ウィルシード船橋さんと私)、あとはローソン新浪さんと堀義人さんくらいか。お二人は40代後半なので、「若手」というより「中堅」でしょうが。

ダボスのような場に参加するためには、一応の「肩書き」がなければならないが、日本では優秀な若い人のほとんどがこの肩書がない。したがって、我々のようなベンチャー経営者か政治家しか該当しなくなってしまう。霞が関にも大企業にも優秀な人はたくさんいるのですが、みな「課長補佐」とか「課長」なので、それだけで選考漏れになってしまう。

しかい、若いうちからこういう場の議論に参加するのはとても有益だと思う。日本からももっと多くの若手が参加できるように、それぞれの組織で、もっと若手抜擢を進めて欲しいところだ。ちなみに、NHKの方々もおそらくお二人は30代、チーフは40代なので、比較的若い。

あ、そろそろ搭乗のアナウンスメント。行ってきます!

ダボス会議体験記(2)2011年01月25日

2011年1月24日。4時間遅れで出発したチューリッヒ行きのスイス航空機内で英Financial Times紙を広げると、ダボス会議に関する記事がいくつも出ていた。

今年の参加者については、メルケル、サルコジ、キャメロン、オズボーン英財務相などが参加することから、ユーロをどうするかということが舞台裏で議論されるだろう、と書かれていた。加えて、メドベージェフ大統領が開会スピーチをすることが西から東へのパワーシフトの象徴だということや、オバマ政権がガイトナー財務長官以外は高官を派遣していないのは(GEのイメルト会長も参加しない)、国内の高い失業率を抱えるなかスイスの山奥で銀行家たちとパーティを楽しんでいると思われることが世論的に厳しいから、といったことを指摘している。
ちなみに参加者一覧のリストをダウンロードしてみたところ、全部で111カ国から約2,500人が参加し、このうち米国が約700名、イギリスが270名、ドイツが160名、インドが130名、地元スイスが110名、フランスが105名、カナダ70名。これについでロシアと日本が60数名とのことだった。

「セイビング・ザ・サン」の著者としても知られるジリアン・テット女史による、「CEOたちはなぜダボスに向かうのか?」というテーマの記事は、長年のダボス常連という経営者が「集団ダイエットと同じで、お互いのサポートが欲しいから」という言葉を引用して、雇用が増えず、インフレや途上国の台頭など先行きが不透明ななか、ユーロの将来、金融規制、通貨問題、米中関係、高騰する商品価格などについてCEO仲間と議論することで経営上の指針を得ようとしているのでは、と指摘している。

特集の別冊では、今をときめく仏クリスチャン・ラガルド経済財務大臣のインタビュー記事や、4人の記者による座談会形式で今年のダボスの主要なテーマ予想として、ユーロの通貨危機、「バーゼル3」(新しい銀行の自己資本規制)後の銀行のバランスシート改善、中国の台頭と米中関係の変化、そしてG20の役割の変化などを掲げている。

興味深かったのは「ダボスは基本的にはアイデアや意見を交換する場に過ぎないが、これだけ影響力ある人達が揃っていると、時折、対話以上の何かが実際に生まれる」と指摘していること。カンファレンスの席上では公式見解しか述べられないが、会談日程などを悟られない環境下で各国首脳や金融機関の経営者などは非公式の意見交換を重ねるのだろう。

12時間弱のフライトがようやく到着すると、ここからも遠い。ダボスはチューリッヒ空港から約2時間半の山奥にある。25日以降はシャトルバスも出るそうだが、1日早く到着した僕達YGL(Young Global Leaders)たちは、電車を3本乗り継いで向かうしかない。

20時13分発の列車のチケットを買おうと並んでいると、知っている顔が1人、2人といて、そこから派生して7名の小さな集団で電車に乗り込んだ。4人ずつ向かい合う席に座って、皆でお喋りしながら向かう。

若干33歳でイェール大学の正教授になったロシア人のエコノミストは、「イェール大学の名物教授陣にかけあって、今年の秋に2日間だけYGL向けの集中特訓プログラムをやることになったから、皆で来てよ」と誘ってくれる。3月から美人の奥さんとともに3ヶ月間来日し、日本銀行に籍を置いて研究を行うとのことで、日本についてよく勉強していた。

「日本のサラリーマンのような生活を体験したいのだが、どうすればいいか?」

そう聞かれて、返答に困る。まずは満員電車に乗ってみて、仕事が終わったら居酒屋で上司の悪口でも交わして、カラオケに言ってネクタイをおでこに鉢巻しながら歌ったりすればいいのだろうか?

すると、中東系のエキゾチックな顔立ちのアメリカ人女性映画監督が、いま撮影しているドキュメンタリーを皆に見せたいといってノートPCを開く。インドにある "Barefoot College(裸足の大学)"というNGOが主催で、ヨルダンやケニヤ、インドの貧しい村から女性を招聘して、ソーラー発電の機器と技術を授ける、という内容。

読み書きもままならず、4人の子供を抱えながら夫は家にいないヨルダン人女性が、「私も勉強して、働けるようになりたい。もう家にいて水タバコを吸っているだけの生活はコリゴリ」と行って、夫や義母の反対を押し切ってインドに「留学」する。互いに言葉も十分に通じないが、女性たちはお互いに通じ合って、共に学び、夜は笑って歌って踊ったりして半年間を過ごす。とてもいい内容なのだが、電車の中で見ていたら乗り物酔いしそうになってしまった。

少しおとなしくしていると、クリーン・エネルギーではなく、原油などの「ダーティ・エネルギー」を浄化する装置を発案して最近2,500万ドル(約30億円)の資金調達に成功したというスペインの起業家に議論をふっかけられる。

「教えてくれ。なぜ、日本の政治はこんなに不安定なんだい?もし選挙制度が問題だというなら、なぜそれを変えないのか?国民は問題を分かっているなら、なぜいつまでもそれを放置するのか?」

いざ答えようとすると、自分も最後まで論理的に説明できないことに気がつく。北京でコンサルティング会社をやっているオーストラリア系中国人で男性が助け舟を出してくれる。長いかと思った2時間半の鉄道の旅もあっという間に終わり、僕らはダボス・ドルフ駅に降り立った。

http://agora-web.jp/archives/1210338.html

ダボス会議体験記(3)2011年01月26日

2011年1月25日、午前8時、ヒートテックを上下着こみ、ホッカイロを腿と背中に貼り、万全の防寒対策を施した上、今回のために買った柔らかい素材の長くつを履きこみ、ビジネスシューズを袋に入れて、アパートを仲間と出発した。

ダボスの本会議は翌26日から開始するのだが、我々若手グループは前日に入って、一日慣らし運転のプログラムが用意されている。雪の中をザクザク歩いていると、ちょうどいいタイミングで市内バスが来たので乗り込んで、5分ほどして会議場に到着した。

最初に受け付けに行き、パスポートを提示し、会議参加のバッジをもらって首からぶら下げる。会議期間中はこのバッジがあればあらゆるところにアクセスできるが、なければどこも入れてもらえない。必須アイテムだ。受付に来ると各地から集まったYGLの仲間がいて、知っている顔と挨拶をかわす。

すぐ近くにあるホテルの会場にミニバスで移動し、空港さながらのセキュリティを通過してから、クロークにコートと長靴を預ける。階段を降りていくと既に大勢の仲間がコーヒーを飲みながら談笑している。

たまたまミニバスで一緒になったアメリカ人の女性と話を始めていた。「コンニチハ、ナンシートイイマス」と日本語で声をかけてくれる。聞くと、大学生の頃に徳島にホームステイをしていたという。今年の7月頃に京都と東京に行くというので聞いてみると、僕も参加する予定の米日財団が主催する「日米リーダーシッププログラム」に参加するとのこと。これは日米から10名ずつ選び、シアトル、京都と2年越しで1週間ずつ研修するプログラムである。奇遇だね、と二人で喜ぶ。

「私はTED(米国西海岸のカンファレンス)や様々なカンファレンスに出ているけど、YGLのメンバーが一番多様で刺激的よ」とのこと。

会議場に移動すると、YGLの事務局長を務めるDavidから開会の挨拶。

「君たちYGLは、次世代を引っ張っていく存在だ。僕らのプログラムを通じて一人ひとりが1%でも成長してくれれば、世界は必ず変る。そう思って、今日も一日、充実したプログラムを詰め込んだので、楽しんで欲しい」

そして、5年間の任期を終えた二人のYGLの体験談を紹介した。このコミュニティに参加して、若い頃持っていた理想主義を思い出した。CEOになってからは自分に色々とものをいってくれる人が少なくなった、ここではそういう生涯の友人を作ることができた。

朝のセッションは、YGL9人が5分ずつ、「New Reality」ということで、変わりゆく世界を様々な観点から問題提起のプレゼンテーションをした

興味深かったのは、ネット業界の有名人、グーグルの Marissa Meyer。

「今の膨大な量のデータを解析することで、様々なことが分かる。例えば、クレジットカードの履歴を分析することで『2年後に離婚する確率が高い人』までかなりの精度で予想できるようになった(笑)。検索ワードから伝染病の普及は予想できるようになったし、『住宅ローン』『職探し』などのキーワードと失業率の相関関係をかなり性格に出せるようになった。これらを使うことで、世界の諸課題に様々な形で対処できる」

また、スペイン人で National Geographic に務める Enric Sala は、かつて人口が2万人から100人まで減少して絶滅したイースター島の例をあげながら、現状のペースで漁業を続けたら魚が枯渇してしまうことを指摘して、希少な海洋資源の持続可能な利用を提言した。

インドのビジネススクールで教授職にある Rueben Abraham は
これから数10年にかけてのもっとも大きなトレンドとして "Urbanization"、都市への人口集中をあげた。中国、インド、アフリカなどの経済が発展することで、農村から都市への大量の人口流入が起きる。1900年には世界人口の14%が都市に居住していたに過ぎないが、2000年には50%になり、2050年には80%にまで上がる。「1分当たり、32の農村が大都市に流入している計算になる」。これによってエネルギーなどのインフラ、教育など、多岐にわたって社会構造を変えていかなければならない。

このような形で、市民の消費量と資源枯渇をどのように切り離すか、政府とビジネスと国民の役割分担どのように考えるべきか、国家から地域への権力移管、資本主義のありようなど、様々なテーマについて問題提起がなされた。

ちょっと疲れたのでこのあたりで一休み。