伊藤塾で学んだこと2010年08月27日

昨日は伊藤真先生と対談だった。

ふと、「自分が伊藤塾で学んだこと」というタイトルで書いたエッセーを思い出した。


(略) 
 振り返れば、このように前例がないキャリアパスを歩むなかで、私が伊藤塾で学んだこと、伊藤塾長から受けた影響は、私の確固たるバックボーンとなり、新しいチャレンジを支え続けてくれました。

 私の大学生活は、伊藤塾長と伊藤塾とともに過ごした4年間でした。大学1、2年はアルバイトに行く電車の中で講義テープを文字通り浴びるように聴き、大学2年の後半に伊藤塾ができることを知ると、私は渋谷の伊藤塾東京校に走り、開校初日に択一マスター講座を申し込みました(おぼろげな記憶によれば、塾生番号84番)。それからは講義が終わるたびに長い列に並び、「生」伊藤塾長を質問攻めにして、すっかり顔を覚えてもらえるようになりました。

 大学3年生の秋に口述試験不合格を経験した後は、伊藤塾長と扉ひとつ隔てた伊藤塾のオフィスで、スタッフとして講義テキストや答練作りに励むとともに、新しい企画を担当し、ゼミの講師も務めました。大学4年生の合格後は講師として本格的に教壇に立つようになり、卒業前にはアメリカ視察旅行を立ち上げました。

 そんな中、伊藤塾で学び続けたことは、ひとえにテクニカルな法律の知識や司法試験の準備にとどまるのではなく、より深く、将来に大きな広がりを持つものでした。

・ 世の中の争点を複数の視点から見つめ、徹底してロジカルな議論を詰めていくこと。それぞれの見方の背景には相異なる世界観や哲学があり、本質的に重要なのは枝葉の議論ではなく、これらの世界観を理解し、受容することであること。

・ 複雑な事象を説き解いて人に分かりやすく説明し、影響を与え、心を動かしていくために必要なコミュニケーションスキルのあり方。

・ それぞれが持っている才能を、より恵まれない人のために活かしていけなければならないという、noblesse obligeの精神。

・ 青臭いまでに崇高な理念を信じ、大きな目標を追求し続け、それを実現するために、自分なりにできることを着実に進めていくことの大切さ。

 いずれも1回や2回の講義で聴いたことではなく、多感な学生時代に、伊藤塾長から何年にも渡ってすり込まれてきた内容です。これらのことが、その後の自分の物事の考え方に大きな影響を与えないはずはありません。

 伊藤塾でともに勉強してきた仲間は、今でも私にとって大きな財産です。仕事の上では、親身になって案件に臨んでくれる、優秀な弁護士が大勢いることほど頼もしいことはありません。買収交渉のテーブルの両側に、伊藤塾の仲間がいたこともありました。受験時代から苦労をともにした友人たちとのつながりは堅固であり、今でも昔話に花を咲かせながら、悩みを聞いてもらうことも少なくありません。これだけ多くの大切な友人を作ることができたのも、伊藤塾には伊藤塾長の理念に惹かれた魅力的な学生が多数集まっていたからだと思います。


伊藤先生に学んだことは、今の自分のバックボーンとなっているわけです。

だからこそ、昨日の先生との対談「一人一票の実現こそが民主主義の根幹だ」はとても嬉しかった。

ustream、一人でも多くの方に見ていただきたいので、宜しくお願いします。
http://www.ustream.tv/recorded/9155489

では、よい週末をお過ごしください。