スウェーデン出身の千葉県民2009年11月13日

いくつかの球団が秋キャンプのために集まっている宮崎も、雨の11月の金曜日は肌寒い。

急な用事ができたので、カンファレンスを早く抜け出し、東京に戻ることになった。ホテルを出て空港へ向かうタクシーに乗ろうとすると、同じカンファレンスの参加者である金髪の男性が車待ちをしていた。

"Do you want to share a ride?"

空港まで20~30分の長い道のりなので、一人でいるよりは話し相手がいた方がいいかなとでも思ったのか。普段はそういうことしないのに、自然と声をかけていた。

男性は日本語がペラペラだったが、どうも英語が話せる外国人と日本語で話すのが苦手な僕は、自然と英語で会話をしていた。

彼もカンファレンスに何度か来ていたので、もちろん顔は知っていたが、話をするのははじめてだった。

完璧な英語を話すのでアメリカ人だと思っていたら、スウェーデン出身だった。高校を卒業してから語学学校に通うために来日し、一度帰国して大学を卒業した後に、東大の大学院に留学していた。

卒業後はNTTドコモに入社し、その後グーグルへ移籍。ここで彼は頭角を現す。モバイルの分野でいくつもの大型提携を実現させ、ある記事によれば「日本のグーグルの顔」と呼ばれるまでになった。
http://www.mmnews.jp/2009/05/post_541.html

その彼がこの春、設立からまだ3年、急成長中の米ベンチャー企業の日本代表として移籍したことは、IT業界では話題になった。

それから半年。先週、グーグルがこのベンチャーを7.5百万ドル(750億円)で買収したことが発表され、再び話題になった。
http://jp.techcrunch.com/archives/20091109google-acquires-admob/

そんな彼だが、13年前に知り合って結婚した日本人の奥さんと、二人のお子さんとともに、千葉県市川市に住んでいるとのこと。通勤は総武線快速。

「僕は千葉が好きなんだよね。君も千葉出身?理由は分からないが、千葉県人とはとっても相性がいいんだ」

スウェーデン人に愛されて、元・千葉県民としては幸せ。聞くと、生まれは1976年、同じ年だった。

というわけで、お互いベンチャー・千葉県人・同じ年 ということで盛り上がり、空港に着く頃にはすっかり仲良しに。降りてから空港内のカフェテリアで昼食をともにし、あやうく飛行機を乗り過ごすところだった。

彼はそのままサンフランシスコへ飛ぶために成田へ。また会おうね!そう約束して別れた。

新しい友人ができた、宮崎の雨の午後だった。

お天気悪そうですが、enjoy your weekend!